2013 Fiscal Year Research-status Report
親による障害者殺害の予防策に関する実証的研究:知的障害者の親の子離れ支援
Project/Area Number |
25380816
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
植戸 貴子 神戸女子大学, 健康福祉学部, 教授 (20340929)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉野 昭博 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (30247895)
新道 由記子 園田学園女子大学, 健康科学部, 准教授 (90321306)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 子離れ支援 / 知的障害 / ソーシャルワーク / アセスメント / 手をつなぐ育成会 |
Research Abstract |
1.知的障害のある成人子の親の子離れ支援の先駆的実践の調査 知的障害者の地域生活継続のための先駆的相談支援実践をしている事業所での聞き取り調査の結果を「社会的ケアへの移行についての認識」「実際の介入と支援」「支援姿勢と援助観」の観点から分析し、成果報告を行った。また、知的障害者自立支援の先駆的実践について、親の心情、相談支援事業所の現状と課題、見守りサービスの制度上の運用と課題について、エキスパートインタビューを行った。 2.知的障害者の親を対象とした量的調査とアセスメント票の開発 親による子どものケアの抱え込みのリスク要因を探索するために、「母親の子どもとの関わりの時間」「社会的ケアの利用実績と意向」を従属変数、「母親の意識や状態」「子の状況」「父子の関わり」「経済状況」を独立変数とする質問紙調査を設計し、知的障害者の親の会の協力を得て実施した。 3.知的障害のある成人子の親の子離れ支援の介入モデルの作成 家族一般における「親による子どもの抱え込み」と「専門職による介入」に関する先行研究をレビューし、母子関係を「病理」としてとらえて「治療的」に専門職が介入する治療的アプローチと、社会的に孤立した母子関係や家族関係に対して当事者団体や近隣地域のネットワークを活用しながら重層的に介入するソーシャルワーク・アプローチを抽出した。また、知的障害者の親の子離れ支援の検討に資するため、重度肢体不自由児及び重症心身障害児の母親を対象とした聞き取り調査の結果の分析にも着手した。これらを踏まえて、ソーシャルワーク・アプローチを基本モデルとして、知的障害者・家族に対する先駆的な相談支援実践の調査結果と照らし合わせながら、「知的障害のある成人子の親の子離れ支援の介入モデル」を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、研究分担者に異動があったため、若干研究予定を変更した部分もあるが、知的障害児・者の親を対象とした質問紙調査、エキスパートインタビュー、障害児の母親を対象とした聞き取り調査の結果分析など、研究計画の核心部分については、当初の計画通り順調に研究を遂行できているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、25年度に実施した知的障害児・者の親に対する質問紙調査結果の分析を行い、エキスパートインタビュー及び障害児の母親に対する聞き取り調査の結果分析も踏まえて、知的障害のある成人子の親の子離れ支援において用いることのできるアセスメント票の開発に着手する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
必要な消耗品は平成25年度内に購入することができたため、3,618円の残金が出た。 3,618円の繰越金は、平成26年度の謝金に充当する予定である。
|
Research Products
(4 results)