2015 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルゲームのアイテム課金がゲーム依存に及ぼす影響
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25380857
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
渋谷 明子 創価大学, 文学部, 准教授 (10635288)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ソーシャルゲーム / アイテム課金 / ゲーム依存 / 射幸心 / 利用動機 / パネル調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度2015年は、内容分析の結果をまとめ、国際学会で発表し、2冊の英文書籍(各1章)に結果をまとめた(原稿提出済み)。また、パネル調査の分析と内容分析の結果を統合し、国内の学会で発表した。パネル調査の分析については、日本で開催される国際学会でも、2016年に発表する予定。 研究期間全体をとおして得られたおもな研究成果は、以下のとおりである。 (1)2013年11月(1回目、T1)と2014年5月(2回目、T2)に、10-20代を対象にモバイル・インターネット調査を実施した。ゲーム依存スコアは、男性のほうが高い傾向がみられた(T2のみ)。ゲーム利用時間の平均は、1週間で12.15時間(T1)、11.42時間(T2)であり、20代のほうが長かった。課金者の課金額の平均は、2451円(T1)、2998円(T2)であり、男性のほうが課金額が高かった。ゲーム依存者は、射幸心が高く、抑うつ傾向が高かった(T1、T2)。 (2)1回目の調査でよく遊ばれていたソーシャルゲーム(上位30位)の内容分析を行い、課金や期間限定イベントの文脈への接触度をプレイヤーごとに算出し、ゲーム依存、ゲーム接触時間、課金額などとの関連性を分析した。その結果、他のプレイヤーとの対戦継続で課金できるゲームで遊ぶプレイヤー(T1)は、6か月後のゲーム接触時間(T2)が長かった。また、期間限定ガチャの最高金額が高いゲームで遊ぶプレイヤー(T1)は、6か月後の課金額(T2)が上昇していた。これらの関連性は、1回目の調査時のゲーム接触時間、課金額を統制しても、それぞれみられたことから、ゲームの課金要素や、期間限定イベントの影響により、ゲーム接触時間が長くなり、課金額が上昇する可能性が示唆された。したがって、本研究では、ゲーム業界や家庭で、ゲーム課金額の上限を設ける対応策の重要性を間接的に示すことができたと考える。
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Research Products
(6 results)