2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380869
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安藤 智子 筑波大学, 人間系, 教授 (90461821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩崎 尚美 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (30350573)
福丸 由佳 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (10334567)
無藤 隆 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (40111562)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 産後の抑うつ / 父親 / 相互作用 |
Research Abstract |
妊娠期からの縦断研究協力者に、産後3年目の調査票の配布が終わり産後4年目の調査票の郵送による配布・回収を実施している。協力を得られた産後3年目の回収率は母親20.1%(158名)、父親19.7%(111名)であった。産後1年までの父親の抑うつと母親の抑うつとの関係について第25回発達心理学会で産後1年までのデータを解析して「父親の産後の抑うつと関連要因」を発表した。 まず、父親が産後に抑うつになる傾向は認められた。父親の抑うつ得点が区分点を超えた割合は、妊娠中は7.7%。産後5週は8.6 %、産後3カ月は8 .4%、産後6カ月6.7%、産後1年では4.6%であった。父親の抑うつ得点は母親の抑うつ得点と比して有意に低く( F(1, 244.63)=6.27, p<.05)、さらに、産後の抑うつ得点は有意に減少した(F(3.73, 127.0)=31.08, p<.001))=10.191, p<.01)。 父親と母親の抑うつ得点は、産後6カ月を除いた同時期間に有意な相関が認められた。さらに、母親、父親の産後5週の抑うつ得点は、パートナーの産後1年までの抑うつ得点と有意な相関が認められた。つまり、夫婦間で、同じ時期の抑うつが相関するとともに、産後の早期の抑うつが、それぞれのパートナーの抑うつに産後1年までの間影響を与える可能性が示唆された。さらに、父親の抑うつに関連する要因は、性格特性や就労の状態であり、子どもの出生体重や週数などは弱い影響があるかほとんど影響がなかった。就労に関する変数のうち、産後5週では労働時間の長さが、産後3カ月以降は、雇用に関する不安が抑うつに寄与していた。稼ぎ手役割を担う父親の特性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
質問紙調査は予定通り実施している。 父子、母子、父母子の観察は現在予備調査中であり、その手続きについての検討を進めている。 26年度に予定していた国際学会での発表もアクセプトされたので、予定通り発表可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
産後5年目の質問紙調査の項目の準備と配布を行う。 まず、現在行っている予備的な観察をもう2事例程度実施し、観察に関する手続き及び父子、母子、父母間の相互作用についての指標を準備する。 次に研究倫理申請を受けた後に、縦断研究協力者への、観察への協力依頼を送付する。 そして同意を得られた家庭に、観察場所や時間の交渉をして、順次観察を進める。それと同時に観察内容を文字に起こして、相互作用を得点化する。30組の観察を目標とする。 これらの研究成果を順次発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実際に行った観察の数が予定よりも少ないので、協力者への謝礼及び研究補助者への謝礼を予定よりも使用していない。 観察協力者及び研究補助者への謝礼として今年度使用する予定である。
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Research Products
(6 results)