2014 Fiscal Year Research-status Report
児童期から青年期の親子間葛藤に関する質的・量的研究
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25380899
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Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
渡邉 賢二 皇學館大学, 教育学部, 教授 (50369568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平石 賢二 名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (80228767)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 親子間葛藤 / 養育態度 / 母親 / 思春期 / 児童期 / 量的 / 質的 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年度に小学校5校と中学校2校に質問紙調査を依頼し、小学5年生から中学3年生とその母親(約1600組)から質問紙を回収することができた。その質問紙のデータを分析し、以下の学会で発表を行った。ISSBD 26th(2014年7月)ではポスター発表、日本心理学会第78回大会(2014年9月)ではポスター発表2本、日本青年心理学会第22回大会(2014年11月)では口頭発表、日本発達心理学会第26回大会(2015年3月)ではポスター発表2本とラウンドテーブルを行った。上記の発表内容の概略は、子どもが認知する親子間葛藤については小学生より中学生の方が親子間葛藤を高く認知していたが、母親については小学生の母親と中学生の母親との差異は認められなかった。すなわち、親子間葛藤の認知には母子間で差異が認められた。養育スキルについては、中学生より小学生の方が養育スキルを高く認知していたが、小学生の母親と中学生の母親との差異は認められなかった。また親子間葛藤を抑制するのは、養育スキル下位尺度の理解尊重スキルであった。さらに親子間葛藤は子どもの心理的適応に影響を及ぼしていた。 2014年12月に小学校13校に質問紙調査を依頼し、小学6年生とその母親(約800組)から質問紙を回収することができた。調査内容は親子間葛藤尺度、母子相互信頼感尺度、養育スキル尺度、養育態度尺度(統制)、攻撃的行動尺度、友人関係尺度、ストレス反応尺度を用いた。現在は、データ入力が終了して分析中である。この質問紙調査は縦断調査であり、2回目は2015年11月に実施する予定である。また4校の中学校に質問紙調査の承諾をいただいている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2013年度と2014年度に量的研究である質問紙調査を実施することができた。また本年度は縦断調査(2回目)を実施する予定である。しかし、質的研究である面接調査を実施できていない状況にある。本年度は、高校生または大学生の母親を対象に親子間葛藤について、面接調査を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年に小学校13校に質問紙調査を依頼し、小学6年生とその母親から回答を得ることができた。本年度は小学校13校の生徒が進学した中学校4校で、11月に縦断調査を実施する予定である。 質的研究として、高校生と大学生の母親を対象に面接調査を行い、親子間葛藤をどのように受容し乗り越えたか、葛藤からどのようなことを獲得したのか、また母親としてどのようなことが成長・発達したのか、母親から見て子どもはどのように変化したのかを捉えていく予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度は、研究分担者が国際学会において発表を行ったが、研究代表者は公務のため参加することができなかった。そのため、残金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、ポルトガルのブラガで開催されるヨーロッパ発達心理学会に参加、発表する予定である。また、研究のまとめの冊子を作成する予定である。
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