2014 Fiscal Year Research-status Report
大学生のコミュニケーションスキルを育む教育プログラムの開発
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25380904
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
西口 利文 大阪産業大学, 教養部, 准教授 (70343655)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コミュニケーション教育 / グループディスカッション / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,大学生のコミュニケーションのスキルを高めるための,教育的効果のあるプログラムを開発することである。このプログラムは,大学生が日常生活で遭遇しうる,対人関係にまつわる問題場面(対人問題場面)を題材にしたもので,プログラムの利用者が,3,4名でグループディスカッションにより事例検討するで,その場面での対応のあり方について論理的に考えていくことを目指す内容のものである。 上述の目的を果たすために,平成26年度は,その前年度(平成25年度)に行った調査データを参考にしながら,グループディスカッションによる事例検討用の補助教材の開発に焦点を当てた活動を行った。事例検討で用いる対人問題場面には,前年度の調査データをもとに,大学生が日常的に遭遇しうる典型的な11場面を選び,それぞれの場面には,あらかじめ4つの具体的な対応(言語的行動の例)を準備した。そして,プログラムの利用者が,グループディスカッションによりそれぞれの肯定的な面と否定的な面を検討しながら帰納的推論,演繹的推論を行うことで,その場の対応としてふさわしい言語的行動を導くことができるように構成した。 こうして作成した事例検討用の補助教材に対して,利用者が作成者の意図通りに取り組むかを確認するために,先述した場面から1場面を取り上げて,3,4人で1グループの大学生,計10グル―プを対象として実験的に実施した。そこでのグループディスカッションの様子はボイスレコーダーに記録し,そこで実施した際に用いられた教材を回収した。現在は,これらの内容について分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は,補助教材の開発ならびにそれを活用したプログラムの実験的な実施を目的としていた。この開発については,ほぼ予定通り進めることができた。また,プログラムの実験的な実施についても一部済ませることができた。 これらの成果を踏まえて,平成27年度は,補助教材の最終版の完成を年度前半までに予定しており,その上で,年度後半には,この最終版の補助教材を用いたプログラムの実験的な実施を予定している。以上は,当初の計画通りにすすめられているため,上のような評価をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,平成26年度に開発した事例検討用の補助教材を「演習編」と位置づけ,これまで心理学で扱われてきたコミュニケーションの基本的な法則や留意点を包括的に学べる記事および演習問題も用意した「概説編」も加えた補助教材の最終版(テキスト)を完成させる予定である。そして,この教材を活用して,大学生に対して演習形式のプログラムを実施し,当該教材が,大学生のコミュニケーションスキルを高める教育プログラムとして,どの程度の効果が見られるかについて,実験的に検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた,英文アブストラクトの費用が発生しなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度では,補助教材の最終版(テキスト)を活用した,教育プログラムの効果の検討を行う。この結果を,学術論文としてまとめるにあたり,引用文献や参考文献の収集のための費用に充てることを予定している。
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