2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25381032
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
釜田 史 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 講師 (60548387)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 教育学 / 教育史 / 教員養成 / 課程認定制度 / 無試験検定 |
Research Abstract |
本研究は、戦後日本における課程認定制度の成立過程について、国立公文書館などに所蔵されている史料を活用し、その全体像の解明を目的としている。本年度は、研究計画に沿って次の3点について遂行した。 第1点は、課程認定制度に関する基礎的データの整理を行った。課程認定制度を規定する「教育職員免許法」の成立過程に関する資料の収集と整理を行うとともに、「教育職員免許法」の改正状況などについて『官報』を中心に1940年代から1980年代までの長期にわたって整理を行った。このように長期にわたって整理を行った理由は、課程認定制度の成立過程だけではなく、課程認定制度が今日まで果たしてきた役割の全体像を把握するためである。 第2点は、「教育職員免許法」制定に直接的に関わったと考えられる教職員養成審議会および教職員養成課に関係する資料の収集を行った。教職員養成審議会の議事録、教職員養成課に関わった人物の著作・論文などの収集した。また、上記第1点目で整理した課程認定制度の年表と教職員養成課に所属していた人物などについて整理を行った。来年度以降は、この作業で判明してきた教職員養成課に関わった人物たち(例えば、玖村敏雄・内藤誉三郎・坂元彦太郎・春山順之輔・上野芳太郎など)について著作・論文の整理を重点的に行い、これらの人物たちと課程認定制度との関係について考察を深めていきたいと考えている。 第3点は、課程認定制度に関する史料の一部を収集した。この作業は多くの史料の複写作業を伴うため、来年度以降も継続して実施したいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施計画は、1. 課程認定制度に関する基礎的データの整理を行うこと、2. 教職員養成課に関する史料の収集に着手すること、3. 課程認定制度に関する史料の収集に着手すること、の三つであった。いずれも順調に研究が進んでおり、上記のように自己評価を行った。またこれらの作業を行うと同時に、課程認定制度の前史であったと考えられる小学校教員無試験検定についても論文にまとめて投稿し、日本教育史学会編『日本教育史学会紀要』第4巻(2014年3月)に掲載された。今後は、前史(無試験検定制度)との関係性も留意しつつ、研究を進めていきたいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、課程認定制度の成立過程について戦後のみを扱うのではなく、課程認定制度の前史(無試験検定制度)についても留意しつつ、戦前と戦後の連続性に着目し研究をさらに進展させていきたいと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度分については、研究を推進する上でとくに大きな問題は発生しておらず、翌年度以降も研究実施計画通り作業を継続する。 次年度は、とくに国立国会図書館に所蔵されている課程認定制度と、国立教育政策研究所に所蔵されている教育職員養成審議会に関する史料群をまとめて複写する予定でおり、今年度の助成金の残額と合わせて有効に活用したいと考えている。
|