2014 Fiscal Year Research-status Report
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25381032
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
釜田 史 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 講師 (60548387)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 課程認定 / 教員養成 / 玖村敏雄 / 教職員養成課 / 教職員養成審議会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦後日本における課程認定制度の成立過程について、国立公文書館などに所蔵されている史料を活用し、その全体像の解明を目的としている。本年度は、研究実施計画にしたがい、下記の2点について重点的に作業を進めた。 ① 課程認定制度に関する史料の収集と整理 前年度から引き続き、主に国立公文書館に所蔵されている課程認定申請書類の収集と整理を行った。同時に『官報』から課程の認定を受けた大学の状況について、大学名・学校種・免許種別に整理を行った。これらの作業を進める中で、課程認定を受けたすべての大学を網羅することは先行研究が乏しいことも関係して難しいと判断し、まずはモノグラフの蓄積が必要と考え、主に国立大学に絞り調査を継続し、とりわけ四国(愛媛大・高知大・香川大・徳島大)の設置申請書類・課程認定書類の比較検討を継続中である。愛媛大学については、大学内に所蔵している『学報』なども同時に収集・整理中である。 ② 教職員養成課に関する史料の収集と整理 前年度から引き続き、教職員養成課に関わった職員(とくに玖村敏雄)の著作・史料の収集と整理を行った。とくに玖村敏雄については、山口県立図書館に所蔵されている「玖村文庫」の調査・撮影(一部)を行った。「玖村文庫」は、現在段ボール箱(合計19個)内に様々な史料が積み重ねられる状態で保存・管理されている。なかには、国立公文書館などには所蔵されていない、教職員養成審議会に関する貴重な史料が残されていることが確認された。ただし、これまで多くの閲覧者たちが史料の調査・撮影を行ってきたこともあり、史料が順番通りに保存されていなかったり、段ボールをまたいで混在していることも確認された。山口県立図書館の方々と相談・検討した後、「玖村文庫」については次年度中に史料目録を作成し刊行する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施計画は、①課程認定制度に関する史料の収集を行うこと、②教職員養成課に関する史料の収集を行うことの二つであった。いずれもおおむね順調に研究が進んでおり、上記のように自己評価を行った。①については、国立大学を中心に全体像の把握につとめており、②については「玖村文庫」の目録作成に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、課程認定大学数が膨大な数にわたるため、まずは国立大学(とくに四国地区)に関する課程認定制度導入のモノグラフの蓄積を継続することを考えている。また、戦後のみではなく、前史(無試験検定制度など)との関係性についても留意しつつ、課程認定というシステムがなぜこれほどまでに定着することとなったのか、その理由や背景、関係した人物たちについて探っていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度分については、研究を遂行する上でとくに大きな問題は発生しておらず、次年度以降についても研究実施計画どおり作業を継続する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、これまで収集できなかった国立公文書館所蔵の教育職員養成審議会関係資料や課程認定制度に関する資料について、まとまった形で複写する予定でおり、今年度の残額と合わせて有効に活用したいと考えている。
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