2014 Fiscal Year Research-status Report
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25381083
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小湊 卓夫 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (30372535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶌田 敏行 茨城大学, 学内共同利用施設等, 助教 (00400599)
浅野 茂 独立行政法人大学評価・学位授与機構, その他部局等, 准教授 (50432563)
大野 賢一 鳥取大学, その他部局等, 准教授 (90314608)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 大学の有効性 / IR / 質保証 / 大学マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、米国の大学における有効性モデルである、Institutional Effectivenessの実態とそれを機能させるための背景を明らかにした。 日本やヨーロッパ諸国では、質保証(Quality Assurance)という用語が一般的には使われているが、米国ではそれに該当するものがInstitutional Effectivenessである。この用語は南部地区基準協会における基準改定が行われた1984年から使われた用語であり、当初はassessmentの代替語として使われていたが、用語の持つ本来の意味である、大学教育が目的に対しどこまで達成できており、また課題を探りそれを組織的に改善していく、全学的な活動といった意味合いを次第に帯びてきた。 基本的には、米国内にある機関別のaccreditationを行う6つの基準協会の基準に置いて、その用語や基本概念が示されているが、その内容に関しては大きな違いが存在している。 特に、IEを厳格に捉えaccreditationに置いてもその要求を厳しく設定しているのは、南部地区基準協会であり、そこでは、プログラム毎に教育内容の点検と、それを支える組織の課題と改善点を示すよう求めている。これらの活動を支える組織としてIRも位置づけられている。 日本ではIRの組織化と教育の質保証システムの構築が、別のベクトルで動いていることもあり、米国に見られるような活動はほとんど存在していない。今後は、両者の連携をいかに図っていくことが可能かを探ることが課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度にIEの基本モデルを文献調査等で踏まえた後、2年目に米国調査を実施し、その基本的概念と具体化や組織化、ならびに機能するための条件等を検討し、日米比較を試みることができた。当初の予想通り、日米では高等教育の文脈と物的条件が大きく異なることから、単純な政策移転は不可能であるとの結論に達した。ではどのような諸条件のもとで日本における質保証システムの構築が可能となるのかを3年目で探る予定でいる。 これまでの研究からいくつかの示唆は得られている。日本における3ポリシーの設定、IR組織化、認証評価における質保証システム構築に関する基準設定を踏まえ、それらをどのように連携させていくのかがカギである。 以上の理由から、当初の研究の目的や計画通りに研究が進捗していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
先にも述べたが、2年目の日米比較調査により、その相違点が明らかとなった。日本の高等教育機関に置いては、質保証システム構築に関連する取組として、日本における3ポリシーの設定、IR組織化、認証評価における質保証システム構築に関する基準設定、個別大学における学生調査が個々に取り上げられ、実施されている。換言すれば、それらの要素を連携させることなしに、活動が行われているということである。 そのため、今後(最終年度)はそれら要素をどのように関連付け、連携した活動が行えるような組織化や基盤作りの条件を検討していくことになる。 研究計画通り、最終年度は、日本におけるIE及び内部質保証システム構築のモデル作りと、それを大学評価コンソーシアムにおける会員間での議論に基づいた検証を行っていく予定でいる。
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Causes of Carryover |
研究分担者である浅野に、相応の分担金を支給していたが、神戸大学から大学評価・学位授与機構に異動した直後であったため、業務に追われ、研究遂行がままならなかった。また、平成27年度4月から、秋田大学に異動になり、短い期間での異動が重なり、そのため多額の分担金が未使用に終わっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
分担金の多くは海外調査研究費用として充てているため、平成27年度は、実施できていなかった調査を必ず遂行することとなる。具体的には米国におけるInstitutional Effectivenessの運用実態と課題を明らかにすることであり、現在その調査先を再検討し、確実に消化できるよう計画を立てる予定である。
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Remarks |
学会報告、論文発表以外の全ての研究活動に関する記録と報告書は、大学評価コンソーシアムウェブページにて公表している。
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Research Products
(7 results)