2014 Fiscal Year Research-status Report
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25381097
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
山本 由美 和光大学, 現代人間学部, 教授 (00442062)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 学校統廃合 / 小中一貫校 / シカゴ教育改革 / 教育行政学 / 新自由主義教育改革 / 教育行政学 / 教育財政 / 市町村合併 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度、東北、北海道、九州地区の都道府県の戦後における廃校数、新設校数の確認を行った。当該年度は、それらは集計してグラフ化し、第1のピーク(1950年代)、第2のピーク(1970年代)そして近年の第3のピークの状況をそれぞれの自治体について検証、比較した。都道府県による状況の違いが明らかになった。 また、比較調査として、アメリカで最も大規模な統廃合が行われたデトロイト市、2番目のシカゴ市を訪問調査してきたが、当該年度は特にシカゴ市のケースいついて集中的に検証した。デトロイト市については、2014年3月の訪問調査後、訪日したミシガン州立大学のペドロニ教授から聞き取り調査を行い、資料提供を受けた。デトロイト市は、2003年度には277校あった公立学校数が、2013年度には97校まで減少している。これは、小学校数と中学校数が激減し、小中一貫校が増加したためである。 また、シカゴ市では、統廃合に対して保護者、市民、教職員による広範な反対運動が起こり、学力テスト反対運動と重なっていったことが特徴的であった。2015年2月には、統廃合された後の、ショパン小学校を訪問し教職員に聞き取り調査を行った。 シカゴ市では、グローバル人材養成に向けて、公教育の序列的再編が1995年以降進み、多くの貧困地域の小中高等学校が廃校になった。そのいくつかは、キャリアアカデミー、ミリタリースクール、入試選抜を伴うアカデミックな教育内容の学校など、ニュータイプの学校にリニューアルされている。人材養成に向けた新たな学校体系に、学校統廃合が用いられてている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内調査については、四国・中国・近畿・中部および関東の一部を残しているが、多くの自治体で調査、資料収集を行うことができた。 比較調査としては、デトロイト市、シカゴ市において統廃合の背景となる政策や情勢成、さらには教職員、市民の対応について豊富な情報収集を行うことができた。引き続き、国内、海外調査を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年6月にシカゴ市を訪問し、複数の学校統廃合に関わった学校調査を行う。引き続き小学校および新たに高等学校を調査対象とする。 年間を通じて、国内の都道府県の統廃合の歴史的経緯および実態について調査を行う。8月には青森、宮城、9以降、近畿地方の調査を行って、全国動向をまとめる。 その際、2015年1月に58年ぶりに改正された文科省による学校統廃合の「手引き」および総務省による公共施設の適正配置などの近年の施策の影響について検証していくことが追加調査となる。それらの影響が大きいことが予測される。
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Causes of Carryover |
昨年実施予定だったシカゴ、および国内調査が実施できなかったため、次年度に繰り越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年6月にシカゴ調査、9月に中国、四国調査を実施し分析を行う予定である。 当初予定していた調査と併せて最終報告書をまとめる。
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Research Products
(5 results)