2013 Fiscal Year Research-status Report
多文化家庭の子育て戦略の課題 -日韓中の国際カップルへのインタビュー調査
Project/Area Number |
25381142
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
渡辺 幸倫 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (60449113)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田ラウンド 幸世 立教大学, その他の研究科, 准教授 (60383535)
宣 元錫 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10466906)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 国際研究者交流 / 韓国 / 中国 / 子育て戦略 / 国際結婚家族 / 多文化教育 / 言語方略 / 国際理解 |
Research Abstract |
本研究では、日本、韓国、中国に居住する多文化家庭の子育て戦略の特徴を明らかにすることを目的に集中的なインタビュー調査を行う。調査対象者は、対象三国の課題を立体的に明確にするため、日本在住の日中、日韓カップル、韓国在住の韓日、韓中カップル、中国在住の中日、中韓カップルとした。今年度は予備調査の年と位置づけ、定期的な研究会(およそ3ヶ月に1回程度)を開き、インタビュー手法や理論枠組みの確認、共同研究者、研究協力者がそれぞれ各国での予備インタビューを行った。 理論の枠組みについては最新の理論を各種の書籍や外部の研究会に各人が参加し、それを研究グループに還元する形で行った。インタビューの手法については、おおよその手順を決め、予備調査を通して常に修正していくという方向性をとった。 予備調査でのインタビューは予定を大きく上回る22名に行うことができた。日本語以外で行ったインタビューの一部は文字起こしに加えて日本語への翻訳も行い、本調査時に課題になりそうな点を洗い出した。なお、共同研究者、研究協力者の地理的な距離については、Email等を使い、また出張時に研究会や打ち合わせを行うことで比較的スムーズに行うことができた。また、翻訳については予算の関係で予想よりも十分な技能を持った人を多用することが難しいことが判明したため、現在対応を検討中である。 本年度の予備調査で得られた知見の一部は、既に整理した上で、国内外での学会発表2回(日本、中国)、及び論文1本(日本)として発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画には3本の柱があった。①理論・手法の検討、②各地をつなぐ人脈の構築、③予備調査による問題点の明確化および共有。 ①について:ナラティブ理論を念頭としたインタビュー調査の枠組みを作成し、実際の予備調査を通して修正をするというサイクルを構築できた。 ②について:各地への出張に際して既存のネットワークを通して事前に紹介を受けインタビューを実施できた。さらにインタビューした相手とも良好な関係を築き今後の協力も了解してもらえた。 ③について:当初の予定以上のインタビューを行うことができ、このテーマでのインタビュー実施における要点や課題がおおよそ明確になってきた。 以上のことから本年度の達成度は「おおむね順調に進展している」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは、予備調査から明らかになった課題を精査し、早急に対応策を確定させたい。具体的には、理論枠組みや調査手法について若干の修正が行われることが予想される。文字起こしの頻度や翻訳の頻度をどこまでにするかなどが議論の中心となるだろう。 また、予備調査時に増してインタビューの回数が増えるため、日程の調整が重要となる。必要に応じて作業を外部化するなどして、共同研究者、研究協力者がインタビュー内容の分析などに集中できるような環境作りにも配慮したい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予備調査のインタビューのすべてを文字起こしする予定であったが、インタビューが予想以上に収集できたため、文字起こしするインタビューの選択基準を改め、一部のみを文字起こしすることにした。そのため文字起こし費用を中心に未使用分が積み上がった。文字起こしをしないことによって懸念された研究上の情報交換は、インタビュー概要書およびインタビュー音声自体の共有などで行った。 2年目以降の調査時にはより多くのインタビューを文字起こしする予定である。
|
Research Products
(4 results)