2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25390025
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Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
山本 真理 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 電子材料研究部, 研究主任 (20416332)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スズナノ粒子 / スズ鉄合金ナノ粒子 / リチウムイオン電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
棒状や立方体、空孔など形状異方性をもつスズ‐ニッケル、スズ‐鉄複合ナノ構造体を創製し、リチウムイオン二次電池の負極活物質としての応用を検討することを目的とした。 リチウムイオン二次電池用の負極活物質として高容量をもつスズは、体積膨張・収縮が激しくスズが微粉化されることでサイクル劣化起こる。本研究課題で創製したスズ-鉄二元金属ナノ構造体は空孔など形状異方性をもち、充放電に寄与しない鉄が骨格となるナノ構造体を活物質とすれば、膨張・収縮を緩和することができ、サイクル特性の向上が期待される。そこで、スズ-鉄二元金属ナノ構造体、および、比較としてスズナノ粒子をリチウムイオン電池の負極活物質として評価した。 スズナノ粒子を負極活物質として用いた場合、35サイクル目で放電容量が急激に低下したが、スズ-鉄二元金属ナノ構造体を用いると、35サイクル目でも高い放電容量を示した。初期充電で形成される鉄マトリックスによって微粉化が防止されたと推察される。一方、初期クーロン効率(CE)と初期放電容量は、スズナノ粒子を用いた方が良好であった。初期クーロン効率の低下は、ナノ粒子表面の酸化被膜の還元に起因すると考えられ、スズ-鉄ナノ構造体の方が、比表面積が高く酸化被膜の割合が高いことが原因と考えられる。 以上のように、鉄マトリックスとの複合化、および空孔やくぼみをもつ構造体にすることで、充放電における微粉化によるサイクル劣化を防止できることを見出した。
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