2014 Fiscal Year Research-status Report
ゲノムDNAの高次構造制御を軸とする動的生命機能と薬物応答の解明
Project/Area Number |
25390038
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉川 祐子 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (80291871)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 一分子イメージング / 長鎖DNAの高次構造 / 構造機能相関 / DNA損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内で遺伝情報を担うゲノムDNAは、大きさが数十ミクロンから数cmにもおよぶ巨大分子であり、細胞周期などにより著しく形態を変化させている。このような巨大DNA分子の高次構造特性が遺伝子機能と密接に関わっていると考えられる。本研究では、100kbpを超える長鎖DNAを対象として、1.1分子レベルでのDNAの動的な高次構造変化のリアルタイム計測・操作の実験手法を発展・活用して、2.ゲノムDNAを標的とする薬物の作用機序の解明と、3.ゲノムDNAの高次構造と放射線損傷との関連性の追究を通じて、放射線併用化学療法にみられるような、抗がん剤によるDNAの構造変化と放射線感受性との相関を明らかにすることを目的とする。 平成26年度には以下の内容の研究を進め、成果が得られつつある。 ・超好熱菌では、従来の直鎖型の生体ポリアミンに加えて分岐型ポリアミンが生成されており「耐熱性」と関わっていることが示唆された。 ・ガンマ線や超音波によって引き起こされるDNA二重鎖切断に対して、アスコルビン酸(ビタミンC)やポリアミンによる保護作用を比較検討した。 ・シスプラチン耐性がんにも有効な新規抗がん剤候補として開発されたプラチナ二核錯体のゲノムDNAの高次構造に対する作用を、蛍光顕微鏡による動的な単分子観察に加えてAFM観察により系統的に検討した。このような高次構造変化と遺伝子機能との関連性を調べ、現在まとまりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の1、2、3、いずれも新たな知見が得られつつあり、さらに検討を加えている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的として記載した1、2、3、について、引き続き検討を重ねていきたい。特に生物学的な側面の検討で成果が得られつつあるため、再現性も含め構造機能相関を追究していきたい。
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[Journal Article] Identification of a novel aminopropyltransferase involved in the synthesis of branched-chain polyamines in hyperthermophiles2014
Author(s)
K. Okada, R. Hidese, W. Fukuda, M. Niitsu, K. Takao, Y. Horai, N. Umezawa, T. Higuchi, T. Oshima, Y. Yoshikawa, T. Imanaka, S. Fujiwara
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Journal Title
J. Bacteriol.
Volume: 196
Pages: 1866-1876
DOI
Peer Reviewed
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