2015 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロパターン配向による液晶素子の低駆動電圧化と高速応答化の検討
Project/Area Number |
25390058
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
本間 道則 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (90325944)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 液晶 / 回折格子 / マイクロラビング / 双安定 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)液晶デバイスの応答特性の改善 液晶のマイクロパターン配向が液晶セルの動作特性,特に応答特性に与える影響について実験による考察を行った。その結果,パターン周期に対して液晶層の厚みが増加するほど応答速度が遅くなるという,通常の一様配向セルと同様の結果が得られた。さらに,一様配向セルとマイクロパターン配向セルを比較したところ,応答および回復時間ともにマイクロパターン配向セルの方が応答特性が50%程度改善することが明らかとなった。応答時間(ON)の改善効果については,マイクロパターンの導入によってフレデリクス転移のしきい電圧が減少することからある程度は説明できることが分かった。一方,回復時間(OFF)の改善機構の解明については今後の課題である。 (2)双安定液晶デバイスの検討 次に,マイクロパターン配向の導入によって得られる液晶の双安定性について,その発現の条件について考察を行った。半円状にマイクロラビング処理を行った2枚の基板を組み合わせることによって液晶セルを作製したところ,複雑な配向パターンを有する液晶セルが得られた。さらに得られた配向状態を詳細に分析したところ,複雑な配向パターンは3つの基本的な配向パターンの組み合わせから成ることが分かった。液晶セルに10 Vを印加し,除去したところ弾性エネルギーの低い配向状態から,弾性エネルギーの高い配向状態への遷移が観察され,長時間(24時間以上)保持できることが分かった。さらに液晶セルを加熱し急冷することにより初期状態へ遷移することも確認できた。本液晶セルと偏光板を組み合わせることによって,配向状態の遷移によって桃色と紫色の間で呈色がスイッチングできる双安定デバイスを実現することができた。
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Research Products
(2 results)