2013 Fiscal Year Research-status Report
楕円曲線の有理点と整数点,および関連する不定方程式の研究
Project/Area Number |
25400025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
藤田 育嗣 日本大学, 生産工学部, 准教授 (50514163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺井 伸浩 足利工業大学, 工学部, 准教授 (00236978)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 楕円曲線の Mordell-Weil 群 / 楕円曲線の整数点 / ディオファンタスの m 組 / 国際情報交換 / クロアチア:アメリカ:ルーマニア |
Research Abstract |
目的1の「楕円曲線 C_m:x^3+y^3=m (m:3乗因子をもたない正整数)の Mordell-Weil 群や整数点を調べる」について,rank C_m(Q)=1, 2 の各場合に,Mordell-Weil 群 C_m(Q) の生成元と C_m 上の整数点を決定することができた.より具体的に,rank C_m(Q)=1 の場合には,C_m 上には高々2つの整数点があり,それらのいずれもが C_m(Q) を生成しうること,rank C_m(Q)=2 の場合には,C_m 上の任意の2つの整数点 P, Q (P≠±Q) は C_m(Q) を生成し,しかもそのとき C_m の整数点は高々 ±P, ±Q, ±(P+Q) の6点のみであることを示した. 目的2の「合同数 N に伴う楕円曲線 E:y^2=x^3-N^2x の Mordell-Weil 群や整数点を調べる」について,rank E(Q) が 2 や 3 となるような N の無限族を与え,さらにそれらの場合に Mordell-Weil 群の生成元を完全に決定することができた. 目的3の「ディオファンタスの 2 組のディオファンタスの 5 組への拡張可能性を調べる」について,様々なディオファンタスの 2 組 {a,b} について(例えば, a<b<a+4*sqrt(a), b=4a±4 などの場合に)ディオファンタスの 5 組へ拡張できないことが証明できた.さらに,最近,b>3a を満たすディオファンタスの 2 組はディオファンタスの 5 組に拡張できないことを証明することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
目的1の楕円曲線 x^3+y^3=m の Mordell-Weil 群の生成元や整数点,目的2の楕円曲線 y^2=x^3-N^2x の Mordell-Weil 群の生成元,目的3のディオファンタスの2組の5組への拡張のそれぞれについて,論文としてまとめて投稿することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
Brown-Myers 等によって,楕円曲線 y^2=x^3-x+m^2 や y^2=x^3-m^2*x+1 の Mordell-Weil 群の階数 (generic rank) はそれぞれ 2, 3 であることが知られている.より一般に,楕円曲線 y^2=x^3-m^2*x+n^2 について,生成元や整数点を調べるという研究を,最近,研究分担者の寺井伸浩氏と研究協力者の奈良忠央氏とともに始めた.階数が 2 の場合には生成元が決定できるのではないかと期待している.また,Mestre の方法等を参考にして階数の高い楕円曲線を見つけるという問題にも同時に取り組んでいる. 「ディオファンタスの5組は存在しない」という予想については,クロアチアの Alan Filipin 氏やルーマニアの Mihai Cipu 氏らと共に,さらに予想の解決に向けて,情報交換をし議論を深めている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究協力者との研究打ち合わせの日程調整がうまくいかず,2,3回行う予定が1回のみとなってしまったことで,協力者の旅費あるいは協力者への謝金の分だけ使用額が減じたため. 協力者の一人であった寺井伸浩氏は今年度から研究分担者となったことで,研究代表者の研究費は20万円減となった.残りの研究費は,主として,韓国で開催される国際数学者会議と Purdue University で開催予定の研究集会に参加するために使用する予定である.
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