2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25400036
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
山形 邦夫 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (60015849)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多元環 / フロベニウス多元環 / 森田多元環 / 加群 / 表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究期間を通して、有限次元フロベニウス多元環の構造研究と、フロベニウス多元環上の生成素の準同型多元環(森田多元環)の研究を行った。多元環とその双対加群とによる無限次元多元環の有限次元軌道多元環は多くの重要なフロベニウス多元環を生ずる。本研究による重要な成果の一つとして、フロベニウス多元環の軌道多元環構造は、直規約加群から成る有向グラフにおける特別な切断の存在よって決定されるという発見がある。これは海外研究協力者との共同研究によって1990年代半ばに発見された軌道多元環判定定理を応用して得られたもので、軌道多元環の構造解明への重要な成果である。一方、有限次元フロベニウス多元環の一般化である森田多元環について海外研究協力者との共同研究を行い、森田多元環を特徴づける新たな性質を発見した。最終年度もこれらの研究を継続し、フロベニウスとは限らない一般の多元環上の生成素の準同型多元環と森田多元環との関係について研究を行い、森田多元環であるという多元環の性質が生成素の準同型多元環に移るかどうかは、生成素の制御次元によって決定されるという事実を新たに発見することができた。この結果の応用として、森田多元環と高次アウスランダー多元環との関係を明らかにした。これらの研究は、中山予想と呼ばれる半世紀に渡る未解決問題に深く関係し、その問題への新しい面からの取り組みとして重要なものとみられる。さらにフロベニウス多元環に関するこれまでの成果を単行本として出版する企画についての準備を継続して行い、刊行済みの第一巻に続き第二、三巻を出版する事になりその準備を継続している。
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