2014 Fiscal Year Research-status Report
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25400154
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浦川 肇 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 名誉教授 (50022679)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 2-調和写像 / 調和写像 / リーマン多様体 / 強擬凸リーマン多様体 / チェン予想 / CR類比 / エネルギー / テンション場 |
Outline of Annual Research Achievements |
1986年に提起された調和写像の拡張である2-調和写像理論について、下記のような成果を得た: (1)完備リーマン多様体から非正曲率リーマン多様体への2-調和写像について、そのテンション場が二乗可積分であり、エネルギー有限なものは調和写像しかないという結果を得た。この結果は特に、等長挿入の場合に適用すれば、「一般化されたチェン予想が正しい」という著しい結果を得る。 (2)任意の調和写像について、領域リーマン多様体の計量を共形変換することにより、2-調和写像でしかも調和写像でないようにできるという、結果を得た。 (3)3-調和写像という概念が自然に考察することができる。エネルギーが有限でテンション場が二乗可積分な完備リーマン多様体から非正曲率リーマン多様体への3-調和写像は調和写像に限る、という結果を得た。 (4)強擬凸リーマン多様体からリーマン多様体への調和写像や2-調和写像の「CR類比」として、擬調和像、擬2-調和写像の概念が考えられている。我々は完備強擬凸リーマン多様体から非正曲率リーマン多様体への、テンション場が二乗可積分でエネルギー有限な擬2-調和写像は擬調和写像に限るという結果を得た。これは「一般化されたチェン予想のCR類比が正しい」ことを意味する著しい結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
我々の当初の計画は、「これまでにない2-調和写像理論を新たに構築し、大きな問題であるチェン予想の解決する」ことを目指すものであったが、正直、雲をつかむようなところも多々あった。しかしながら研究が進展すると、様々な従来の分野とのつながりが見えて来て、それらを総合して様々なバージョンの「チェン予想の部分的な解決」に関する多くの結果を得ることができた。 最終目標である「チェン予想の解決」への道は遠いのであるが、現在の方向でやれる所までやって行きたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、「チェン予想」の解決を目指すことは勿論であるが、それは「ターゲット空間が非正曲率」という限られた場合である。今後はもっと広い立場から研究を見直し、「ターゲット空間が正曲率」という正反対の場合には、問題がどのように展開するのであろうか、と発想を拡げて研究を進めて行きたい。
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Research Products
(17 results)