2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25400157
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
柘植 直樹 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (30449897)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 圧縮性オイラー方程式 / 単独保存則 / 一般化された不変領域 / 改良Godunovスキーム / ノズル流 / 時間大域解の存在 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,source termをもつ単独保存則と圧縮性オイラー方程式の研究を行った。 まず、単独保存則に対して、大きな初期値をに対して時間大域解が存在する十分条件を与えた。この結果は、J. Math. Anal. Appl. 432 (2015), no. 2, 862-867に掲載済みである。さらに、source termの変数係数が可積分という条件があれば、時間大域解が存在する事も示した。この結果は、現在投稿中である。次に、外力項付の圧縮性オイラー方程式を考えて、時間大域解の存在と解の有界評価を得た。この結果は、Nonlinear Anal. Real World Appl. 27 (2016), 203-220に掲載済みである。時間大域解の存在は以前から知られているが、時間に依存しない有界評価はまだ知られていなかった。本研究の有界評価は、時間に依存しない。即ち、いかなる時刻においても、解はある有界領域に留まり続ける事を保証するものである。また、既存の結果と外力の条件が異なるため、存在結果としても新しい結果である。この結果は、2016年3月18日に日本数学会で発表をした。最後に、圧縮性オイラー方程式のノズル流の研究を行った。ノズルが一般の形状をもつ場合は、初期値が十分小さい場合しか時間大域解の存在が示されていなかったが、大きな初期値に対しても時間大域解の存在を示す事ができた。この結果は、現在投稿中である。この結果に関しては、2015年8月27日に金沢解析研究会2015(金沢大学)において、 2015 年10月24日に第137回神楽坂解析セミナー(東京理科大学)において、それぞれ発表した。 これら全てにおいて、本研究で開発された一般化された不変領域が用いられている。これは、空間変数に依存する不変領域である。これにより、今まで得られなかった解の有界評価を得る事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
圧縮性オイラー方程式に関しては、一般の形状をもつノズルと大きな初期値に対して時間大域解の存在を示す事ができた。また、単独保存則に対しても、いくつかの結果を得る事ができた。これは、当初計画した以上の進展であった。一方で、当初の計画にあった圧縮性粘性流体に対しては、研究が思うようには進まなかった。そのため、全体としては、このような区分になった。
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Strategy for Future Research Activity |
圧縮性オイラー方程式や単独保存則に進展が見られたので、取りあえず、こちらの方の研究を、このまま推し進めて行こうと考えている。その過程で圧縮性粘性流体に対しても、良い解決策が見つかれば、随時そちらの研究にも取り組みたい。
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Causes of Carryover |
当初予定していた出張日程を、学内業務のため短縮したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会の出張旅費に使用する予定である。
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