2015 Fiscal Year Research-status Report
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25400207
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
嘉田 勝 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00312447)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 基数不変量 / 巨大基数 / 和集合公理 / 選択公理 / 無限組合せ論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度までの研究で、巨大基数の理論や集合論的位相空間論の発展に直接つながる成果を得ることが難しいように思えたので、平成27年度は研究対象の範囲を広げて、弱い集合論の公理系から得られる集合論的帰結を精査することと、無限組合せ論に関係する「帽子パズル問題」と呼ばれる一連の問題の研究を進めることで、研究の目的への新たなアプローチを探ることにした。 弱い集合論の公理系についての研究は、2010年のG.Oman氏の論文(Arch. Math. Logic Vol.49に収録)で論じられている「和集合公理を除いた集合論」をさらに発展させて、和集合公理を除くとともに選択公理を弱めた理論を基礎理論として、通常の集合論では選択公理と同値である諸命題の同値性が保たれない可能性を検討し、これらの命題が複数の強弱の段階に分類される可能性を指摘した。ただし、これらの強弱の段階に実際に強弱の差があることを証明するには至っていない。 帽子パズル問題については、C.S.HardinとA.D.Taylorによる著書("The Mathematics of Coordinated Inference", Springer, 2010)の結果をさらに検討し、いくつかの定理の改良を行った。 これらの成果をもとに、研究実施計画の当初の目標である集合論的位相空間論の深化につながる研究に発展させることが、今後の研究の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度から継続している心身の不調の通院治療に努めているが、まだ快癒に至っておらず、研究活動に集中することや長期に遠隔地に出張することが困難な状況が続いている。そのため、連携研究者との集中的な議論など、当初計画していた活動が思うようにできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
通院治療と健康管理に努めて体調を改善するとともに、連携研究者の招聘、短期出張の繰り返しによる連携研究者との継続的な討論など、無理のない範囲で研究を推進する方策を採りたい。
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Causes of Carryover |
体調不良や教育業務のスケジュール調整困難などの理由によって、外国における研究成果発表などに備えて計上した旅費を十分に使用できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本課題の最終年度にあたって、外国研究集会における研究成果の発表、研究集会の主催、外国からの研究者の招聘を検討している。
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Research Products
(5 results)