2016 Fiscal Year Annual Research Report
Determining neutrino masses and hierarchy from future cosmological observations
Project/Area Number |
25400264
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
平野 耕一 都留文科大学, 文学部, 准教授 (00558140)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 宇宙論 / ニュートリノ / 宇宙背景放射 / 物質密度揺らぎ / 素粒子論 / 構造形成 / 修正重力理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行中の観測であるPlanck衛星による宇宙マイクロ波背景放射のBモードと,将来の広視野銀河サーベイであるEuclidの物質密度揺らぎの成長率の模擬データの組み合わせから得られる,ニュートリノの総質量の制限の精度を求めた. また平成28年度は,関連する別のテーマとして,修正重力理論に関する研究を行った. 最近の様々な宇宙論的観測は現在の宇宙が加速膨張していることを示しているが,物質で満ちたアインシュタインの一般相対論では,この加速膨張を説明することが出来ない.そこで,加速膨張を引き起こすダークエネルギーを含むモデルが多く提案されているが,ダークエネルギーの代表的なモデルである宇宙項に関しては,素粒子論から予想される量との不一致やファインチューニング等の理論的な問題をかかえている.そこで,(宇宙論的なスケールで)アインシュタインの重力方程式の左辺を修正する研究が近年盛んに行われている.ΛCDMモデルと修正重力モデルとでは,バックグラウンドの膨張の進化がほぼ同じであっても,物質密度揺らぎの進化は一般に大きく異なる. 本研究では,将来の大型広視野銀河サーベイである Euclid の構造形成の成長率の模擬データを用い,ΛCDM モデルと修正重力理論との判別がどの程度可能かを調べた.修正重力理論としては,拡張された DGP モデル,Kinetic Gravity Braiding モデル,Galileon モデルをそれぞれ採用し,予言される構造形成の成長率と Euclid の模擬データとを比較し解析を行った.その結果,Euclid の構造形成の成長率の観測により,物質の密度パラメーターの値が厳しく制限されるため,他の観測と組み合わせることで,モデルの判別が可能であることが分かった.
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