2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the First-Principles Theory of Long-Range Electron Correlations Based on the Nonlocal Effective Medium and Its Application to the Iron Compounds
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25400404
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
梯 祥郎 琉球大学, 理学部, 教授 (10191975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 尚志 北海道科学大学, 高等教育支援センター, 教授 (90265059)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電子相関 / 第一原理運動量依存局所変分理論 / 相関エネルギー / 局所電荷揺らぎ / 局在モーメントの振幅 / 電荷揺らぎ / 運動量分布関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1原理運動量依存局所変分理論をScからCuまでの鉄族遷移金属へ適用し,相関エネルギー,電荷揺らぎ,局在モーメントの振幅,運動量分布関数,質量増大因子などの定量的計算を行った.その結果,(1)LDA+DFTで取り入れられていない常磁性フント結合エネルギー補正がバンド理論における磁気エネルギー過大評価の原因であることを定量的に明らかにした.(2)電子相関によって局所電荷の揺らぎが2倍程度抑えられることを示し,これが遷移金属磁性体の局在モーメント描像を引き起こしていることを確かめた.(3)局在モーメントの振幅はフント結合によって最大50%増大することを明らかにし,得られた結果が内殻光電子分光や帯磁率から評価された実験結果を定量的に説明することを示した.(4)ScからCrまでのearly遷移金属では,電子の運動量分布関数は近似的にフェルミ分布関数に従いKohn-Shamバンド電子として振る舞うが,Mn以降のlate遷移金属では,強い電子相関のために運動量分布関数はフェルミ分布関数から大きくずれることを見出した.(5)MnからNiまでの有効質量も電子相関により20%~70%増大することを見出し,これらの結果が低温側の比熱のデータを矛盾なく説明できることを示した. 以上の結果は第一原理運動量依存局所変分理論が基底状態ならびに低エネルギー有効質量を定量的に記述できることを示している. 今後,当初の計画通り,この理論を用いて電荷・スピンの2体相関関数を計算して非対角有効場に基づく第一原理自己無撞着射影演算子理論を完成させ,長距離非局所電子相関が引き起こす様々な一粒子励起異常を定量的に明らかにする.
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Research Products
(10 results)