2014 Fiscal Year Research-status Report
コヒーレントX線イメージングのための位相回復法の深化
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25400438
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
城地 保昌 公益財団法人高輝度光科学研究センター, XFEL利用研究推進室, 副主幹研究員 (30360415)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コヒーレントX線回折イメージング / 位相回復 / 実験データ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
生命現象を理解するには、構成要素である生体粒子の立体構造をとらえることが不可欠である。XFEL施設SACLAを利用するコヒーレントX線回折イメージング(CXDI)は、10ナノメートルからマイクロメートルのスケールで起こる生命現象を高解像度で解き明かすポテンシャルをもつ。本研究課題は、実験データから最も確からしい試料の電子密度分布を再生する位相回復法の開発とその手法を利用した大量データの自動解析の実現を目的とする。平成26年度は、次の成果を得た。
1. 確実な位相回復を実現するために、試料からの回折強度を増強することを目的として2次元に規則的に粒子を配置させることを検討した。計算機シミュレーションにより、回折強度の増強機構を確認し、さらに、実際のXFEL利用実験により2次元配列させたモデル粒子からのシグナル取得に成功した。シミュレーション解析結果を利用して、2次元配列粒子からの回折パターンから位相回復するための手法を開発し、実験データでその手法が有効であることを確認した。その結果を投稿準備中である。
2. 大量データを効率的に解析するために、複数ノードを利用した並列パイプライン処理と単一計算ノードで動作する解析プログラムとを分離して実行するための汎用フレームワークを、SACLA解析環境に導入・最適化した。その結果を平成25年度までに開発した回折パターン分類処理に適用し、その自動解析を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計算機シミュレーションによる測定法の提案とSACLA利用実験による実証実験が上手くかみ合って進んでいる。また、大量データの自動解析に向けた準備も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
検出器のノイズ・不感領域などの解析に与える影響についても平成25年度から継続して検討している。平成26年度までに成果に基づき、個別に開発した手法を組み合わせることでSACLAの利用実験に適した解析法を開発していく。
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Causes of Carryover |
年度末の旅費に利用する予定であったが、その支出が無くなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額7万円は成果発表を効果的に行うために使用する。その他は、当初計画通りに使用する。
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Research Products
(7 results)