2015 Fiscal Year Annual Research Report
東南極セールロンダーネ山地~リュツォホルム湾における大陸衝突・分裂過程の復元
Project/Area Number |
25400483
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
豊島 剛志 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10227655)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リュツォホルム岩体 / 東南極 / ゴンドワナ超大陸 / 大構造 / 断層 / 大陸衝突帯 / 褶曲 / 圧縮テクトニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
岩相層序区分図・地質構造図(Yoshida, 1978),重力異常図(Nogi et al., 2013)を用いて,1/25万縮尺のリュツォホルム岩体の形態線図とその広域断面図を修正した。その結果,リュツォホルム岩体は地質構造的に大きく4つの地域に分けられることが明らかとなった(プリンス・オラフ海岸地域,リュツォホルム湾東部地域,リュツォホルム湾南東端地域,リュツォホルム湾南部地域)。境界には大規模断層が推定される。プリンス・オラフ海岸地域はYoshida(1978)のOkuiwa Groupに相当するが,さらに2つ以上に分けられる。これらの区分は奥岩およびその周辺の変成岩層(Okuiwa Group)が地質構造的特徴等からリュッツォホルム湾地域の中で最も新しいとされていること(Yoshida, 1978)とも整合的である。また,文献調査と構造解析の結果を入れて,リュツォホルム岩体とやまと・ベルジカ岩体,それぞれの地質構造形成史・変形運動史を構築した。これらの結果,リュツォホルム岩体では,NW-SE走向断層が発達しそれによる変成岩層の繰り返しがあるだけでなく,変成年代や変成条件,形成過程が異なる変成岩類が断層を介して集積していることが明らかとなった。また,同岩体の大部分にはE-Wトレンドの地質構造がもともと(累進変成作用ピーク時に)大構造としてあり,それがN-SからE-Wトレンドの褶曲構造およびNW-SE走向断層など,後性的な多時相変形作用によって変形を受けたと考えられる。これらの問題をさらに解決するためには,リュツォホルム岩体の新南岩,日の出岬,明るい岬,スカルブスネス,ルンドボークスヘッタにおける現地調査が必要であることも明らかとなった。
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