2014 Fiscal Year Research-status Report
ヘテロ二量体化ロイシンジッパー法によるタンパク質の細胞内運搬技術の開発
Project/Area Number |
25410181
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
北松 瑞生 近畿大学, 理工学部, 講師 (60379716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道上 宏之 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20572499)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ペプチド / DDS / 細胞 / ロイシンジッパー / 細胞内運搬ペプチド / p53 / Nanog / ペプチド核酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、タンパク質(またはペプチド)を細胞内に運搬し、そのタンパク質(またはペプチド)の機能を保持できる新しい細胞内デリバリー法に関して研究を進めている。前年度、本システムにより機能性ペプチドの細胞内運搬に成功したので、本年度は本システムによるタンパク質の細胞内運搬について検討した。用いたタンパク質はp53タンパク質であり、p53とヘテロ二量体化ロイシンジッパーの片方とを融合させることに成功した。前年度に合成が確立した細胞内運搬ペプチド(CPP)ともう片方のヘテロ二量体化ロイシンジッパーの連結体を作成し、先ほどのタンパク質の融合体と混ぜ合わせて、細胞増殖試験を行ったところ、本システムにおいて明確な細胞増殖抑制効果が示された。一方で、同じ条件でp53とCPPとの融合体で細胞増殖試験を行ったところ、そのような細胞増殖抑制効果は認められなかった。これらの結果より本システムの有用性が実証された。我々は上記の実験と同じくして、タンパク質の一種であるNanogとヘテロ二量体化ロイシンジッパーの連結体の作成を試みている。また、このNanogの本システムによる細胞内運搬および細胞内での機能を評価するために、蛍光発光を用いた検出システムの作成に成功した。最後に我々はヘテロ二量体化ロイシンジッパーの代わりにペプチド核酸(PNA)を用いた機能性ペプチドの細胞内運搬についても試みた。PNAは9量体程度の長さでは、機能性ペプチドとCPPとをハイブリッド化させないことが明らかとなった。また、PNAは12量体程度の長さになると機能性ペプチド(Beclin-1)をそのまま細胞内に運搬する結果が得られ、PNAによる本システムのさらなる改善が必要であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の今後の研究の推進方策に従い、調査できている。p53を用いたシステムにおいて、機能性ペプチドのときと同様に本システムの有用性が確認できたことは本研究に大きな意味をもたらした。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでの研究成果を引き続き進展させるため、p53タンパク質についてさらに詳細な評価を行なう。Nanogタンパク質についてもヘテロ二量体化ロイシンジッパーとの融合体の作成を成功させ、評価に移る予定である。
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Causes of Carryover |
当該ロイシンジッパーペプチドにおいて、その化合物の精製のためのHPLC分取が予定以上に時間がかかり、そのための費用を使わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のHPLCの分取は本年度の5月中までに実施可能となったので、その当該費用を使用する。
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Research Products
(4 results)