2013 Fiscal Year Research-status Report
リン酸化プルランを用いた硬組織接着型高機能DDSの開発
Project/Area Number |
25410228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
沖原 巧 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (70243491)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リン酸化反応 / 多糖 / ドラッグデリバリーシステム |
Research Abstract |
本研究はリン酸化多糖と薬剤との複合体による接着型のドラッグデリバリーシステムの開発を目指すものである。本年度はリン酸化多糖の合成方法を検討の進めるととともに、薬剤の徐放性の制御に関する基礎情報の収集を行った。成果として、マイクロ波加熱による多糖のリン酸化法を開発した。従来、リン酸化法としては、有機溶媒中でアミン類を触媒とするものが中心であったが、多糖の場合、工業化を目指す時、有機溶媒の除去が障害となる。そのため、リン酸化多糖の合成方法について、多糖とリン酸塩の混合物をマイクロ波加熱することにより、リン酸化を可能とする反応条件を見出した。これを活用することにより、水溶性の多糖について有機溶媒を用いずにリン酸基の導入が可能となった。また、薬剤との複合体の形成プロセスの検討では、リン酸化多糖のリン酸基、および糖分子と薬剤分子との相互作用が重要な役割を果たすことを解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リン酸化プロセスの条件設定はほぼ完了し、薬剤分子との相互作用においても、pHの依存性等の解明が予定よりも進んでおり、期間内での目標達成は十分可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
リン酸基の影響を解明するため、リン酸置換度の異なる多糖を合成し、薬剤分子との複合化メカニズムをNMRや分光学的手法を用いて進めてゆく。また、リン酸化多糖の薬剤複合体の徐放の効果について、動物実験等を通じて検証してゆく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
リン酸化プルランの物性を詳細に検討するため、NMRで測定可能な炭素13同位体の多糖への導入を行う。そのため、予備実験等をすすめて確認を行った。そのため、本実験のための試料購入を確認後の翌年度に持ち越したため、次年度使用額を生じた。 炭素同位体を含む多糖を合成し、NMRを用いて薬剤複合体のキャラクタリゼーションを行うために使用する。
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Research Products
(3 results)