2015 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化プルランを用いた硬組織接着型高機能DDSの開発
Project/Area Number |
25410228
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
沖原 巧 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (70243491)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | プルラン / リン酸化 / 多糖 / 抗菌剤 / 界面活性剤 / DDS |
Outline of Annual Research Achievements |
低粘性の多糖であるプルランをリン酸化して得られるリン酸化プルランは、生体内の硬組織に対して極めて高い接着性を有し、生体材料として活用できる可能性を持つ材料である。多糖へのリン酸基付与の方法として、多糖にリン酸塩を加えマイクロ波照射を行う方法を開発した。これにより、多糖のリン酸化を水系・短時間で進行させることが可能となった。この方法は高粘性である多糖にも有効であることがわかった。特にプルランについては、前処理としてリン酸塩との混合処理を行うことで、リン酸化プルランのリン酸置換度の制御ができ、安定した合成が可能となった。また、リン酸化多糖-CPC複合体は、糖鎖の結合様式及びリン酸基同士の電荷反発による糖鎖の拡がりが関与していることがわかった。リン酸化多糖のリン酸基が抗菌性カチオン性界面活性剤である塩化セチルピリミジウムを引き寄せ、糖鎖とアルキル鎖との間の疎水性相互作用が複合体を形成する上で重要であることがわかった。リン酸化アミロースの様にピリジン環を包接し安定な構造の複合体を形成すると抗菌効果が発揮されないことから、リン酸化プルランが形成する準安定な複合体において分子運動等により複合体が解消されることで、CPCが徐放され持続的な抗菌効果が発揮されることがわかった。これらのことから、リン酸化プルランは薬剤を徐放出可能な形で保持し接着型DDSとして機能することがわかった。
|
Research Products
(7 results)
-
[Journal Article] Bone engineering by phosphorylated-pullulan and β-TCP composite2015
Author(s)
Tomohiro Takahata, Takumi Okihara, Yasuhiro Yoshida, Kumiko Yoshihara, Yasuyuki Shiozaki, Aki Yoshida, Kentaro Yamane, Noriyuki Watanabe, Masahide Yoshimura, Mariko Nakamura, Masao Irie, Bart Van Meerbeek, Masato Tanaka, Toshifumi Ozaki, Akihiro Matsukawa
-
Journal Title
Biomedical Materials
Volume: 10
Pages: 065009
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-