2015 Fiscal Year Annual Research Report
無容器法による希土類酸化物を主成分とする超高屈折率低分散ガラスの合成と構造解析
Project/Area Number |
25410236
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増野 敦信 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (00378879)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ニューガラス / ホウ酸ガラス / アッベ数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,これまでガラス化しないとされていた希土類酸化物を主成分とした組成のガラスを合成し,その光学特性の評価と構造解析を行った. ガス浮遊炉を利用した無容器法によって,La2O3を主成分としたLa2O3-Nb2O5系ガラス,La2O3-B2O3系ガラスの合成に成功した.いずれのガラスも屈折率が1.9以上の高い値を有しており,かつ非常に小さな波長分散特性を示していた.例えばLa2O3-N2O5系ガラスでは,光学特性や熱特性を向上させる点で,第3成分としてTa2O5やAl2O3,ZrO2などが有効であることがわかった.また,物性データから得られた光学的パラメータや,NMRやラマン散乱などの構造解析から得られた構造情報から,これらの希土類酸化物を主成分とするガラスは,その特性の起源や形成メカニズムにおいて,ネットワークといった従来の考えでは捉えられないことを明らかにした.とくにLa2O3-B2O3ガラスにおいては,B2O3-rich組成では従来型ホウ酸系ネットワークガラスであったのに対して,La2O3-rich組成では,平面型BO3ユニットが完全に孤立しており,La3+とランダムに分布することで非晶質状態を形成していることを,実験的に明らかにすることができた. 本研究で得られた希土類酸化物を主成分とするガラスは,超高屈折率低分散という光学応用上重要な特性だけでなく,従来のガラス形成則から大きく逸脱している点で,ガラス科学の幅を拡げるものである.
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[Journal Article] Synchrotron X-ray scattering measurements of disordered materials2016
Author(s)
S. Kohara, K. Ohara, H. Tajiri, C. H. Song, O. Sakata, T. Usuki, Y. Benino, A. Mizuno, A. Masuno, J. T. Okada, T. Ishikawa, S. Hosokawa
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Journal Title
Zeitschrift fur Physikalische Chemie
Volume: 230
Pages: 339-368
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A complete solid solution with rutile-type structure in SiO2-GeO2 system at 12GPa and 1600°C2015
Author(s)
E. Kulik, N. Nishiyama, A. Masuno, Y. Zubravichus, V. Murzin, E. Khramov, A. Yamada, H. Ohfuji, H.-C. Wille, T. Irifune, T. Katsura
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Journal Title
Journal of the American Ceramic Society
Volume: 98
Pages: 4111-4116
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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