2015 Fiscal Year Annual Research Report
Zero-group velocity ラム波を用いた接着性状の非接触非破壊評価
Project/Area Number |
25420031
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
長 秀雄 青山学院大学, 理工学部, 教授 (60296382)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 界面接着性状 / Zero-group-velocity ラム波 / レーザ超音波 / 非破壊・非接触評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
高湿環境下・温水浸漬環境下・紫外線照射における高分子系接着剤によるアルミニウム合金材の接着性状の劣化の評価をZero-group-velocity(ZGV) ラム波および破壊試験によって行った.その結果,高湿環境下で30日間放置した場合,ZGVラム波の周波数はほとんど変化せず,接着性状は劣化していないと予想された.また,引張せん断試験によっても接着強度はほとんど変化しておらず,ZGVラム波の予想とほぼ一致していた.また,温水(80℃)浸漬試験では,引張せん断試験による接着強度は浸漬日数が7日を超えると大きな低下がみられた.一方,ZGVラム波では浸漬3日後には周波数の低下が確認でき,破壊試験である引張せん断試験よりも早期に接着性状の劣化を捉えることができた.紫外線照射した場合では,ZGVラム波の周波数は接着の淵部のみがわずかに低下していた.これは紫外線に暴露される領域が接着部側面のみに限定されたためだと思われ,ZGVラム波を用いれば接着強度の空間的な分布も評価できる可能性があることが確認できた. 一方,数値計算においては,接着性状を示す境界条件であるスプリング境界を導入し,接着剛性を変化させることで接着性状との対応を検討した.その結果,スプリングのばね定数(剛性)を低下させるとZGVラム波の周波数は低下しており,実験で得られるZGVラム波の周波数の低下は接着剛性の低下に対応していると考えられる.すなわち,接着面の局所領域で微小なはく離や水分の侵入によって接着している部分へのひずみが大きくなり,剛性が低下したと考えればZGVラム波の周波数の低下と接着強度を関連づけられる可能性があることがわかった.
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