2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420103
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田坂 裕司 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00419946)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乱流遷移 / 乱流塊 / マイクロバブル / 流れ制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに製作したピストン駆動による一定流量の管内流れ装置(内径32mm,全長8m)を改良し,無攪乱状態の自然遷移レイノルズ数25,000以上の,非常に安定度の高い流れを実現した.また小型のピストン・シリンダ系により,サイズや持続時間などを高度に制御した攪乱を与えるシステムを作成した.上記の実験装置により,過去に観察されたいびつな乱流・層流状態の境界を一部再現することに成功した. 管路上流の貯水槽内にて電気分解により微細な水素気泡を発生させ,乱流パフの形成におよぼすマイクロバブルの影響を調べる実験を行った.レーザードップラー流速計(LDV)により乱流パフ形成の成否を下流で確認し,それを元に各攪乱強度に対する乱流パフ形成の確率分布を作成した.その結果,マイクロバブルの混入はパフの形成を促進させることを示した. フランス・ルアーブル大学との共同研究として,拡大管内に間欠的に形成される局所乱流塊の可視化計測実験を行った.トレーサ粒子を用いた短時間流跡線動画を作成することにより,局所乱流塊が発達・減衰するプロセスを詳細に観察することに成功した.また,大幅に速度が異なる,再循環領域を含む流れの計測にあたり,粒子追跡法(PTV)を一部改良した手法を提案し,不安定化の元となる速度分布形状の計測を行った. 東京ガス株式会社所有の長延長実験管路を用いて速度変動計測を行い,実ガス管路における局所乱流塊の計測実験を行った.その結果として,理想的な条件とはほど遠い荒さ要素などを持つ実ガス配管であっても,条件に応じて実験室で観察されるような乱流パフが観察されることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
装置の製作は順調に進み,すべての実験に耐えられる装置を実現することができた.実験に関しては一部送れている物もあるが,本課題に関連して始めた国際共同研究が別途進行しており,総合的には概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた,攪乱の注入によりヘアピン状の渦が形成される条件に加え,ヘアピン渦の発生周期を制御可能なシンセティックジェットを模した攪乱注入装置を制作中である.本最終年度では,それらによりパフの形成確率がどのように変化するかを調べるとともに,基本流の速度分布を計測し攪乱の注入によるそのゆがみを定量的に評価することで,効率的な乱流遷移をもたらすメカニズムを明らかにする.
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Causes of Carryover |
年度末に開催された研究会への参加旅費ならびに3月分の短期雇用人件費が含まれていないために次年度使用額が発生している.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記理由のように計上されている次年度使用額はすでに使用している.今年度は当初計画通りに予算を使用する.
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Research Products
(3 results)