2014 Fiscal Year Research-status Report
画像センサーを利用した安価で簡便な分散系二相流の粒径計測システムの開発と公開
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25420116
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 孝司 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10235963)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レーザー回折 / 粒径計測 / 画像センサー / 噴霧 / システム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、申請者らが開発・公開してきたレーザー回折の原理に基づく簡易粒径計測システムの問題を克服して汎用性を高め、評価のうえ公開することにある。このシステムは汎用部品のみ構成され、粒径分布の逆演算に必要な散乱光強度の半径方向分布を画像センサーで得ている。そのため測定用レーザー光束の集光点近傍でセンサー出力が飽和してレーザー光の透過率を妥当に評価できない、画像に光学的なノイズ(碁盤目状の明点)が現れるなどの問題があった。 遮光板(円形マスクをプリントした透明フィルム)を画像センサーの表面に張り付けてレーザー光束の集光点の強い光を減光することによってこれらの問題を解消するアイデアに基づいて、平成25年度の研究で新しい簡易粒径計測システムを開発した。この新しいシステムに関して、本年度は以下のような研究を行った。 ①昨年度末の国際会議での発表内容を6頁の原稿にまとめ、査読の上、proceedings of SPIEに収録した。②新しいコンピューター環境に対応するようシステムを改良した。すなわち、CMOSカメラ(画像センサー)用の最新のPC接続ボード(フレームグラバーボード)、32bitならびに64bit版のWindows-7 OSに対応した。③新しいシステムの試用を重ね、それらに基づいて導入説明書を整備し、システムに必要な他のファイルと共にホームページで公開した。 上記の過程において、新しいシステムは画像センサー素子に触れる必要があるうえ、測定開始前の光学系の調整である程度のスキルが要求されるなど煩雑であることも判明してきた。このような新たな問題を解消する案として、レーザー回折法の標準的な光学系にリレーレンズを追加して、その仮想焦点面に遮光板を置いた光学系を考案し、これについて計測システムの紹介と併せて速報として口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請段階には想定していなかった障害(PCや画像センサー環境の変化)への対応に時間を割くことを余儀なくされた面もあるが、実際にさまざまな測定対象について粒径計測の試行を行ったところ、システムを使う上での問題などが次第に明らかになり、それらを解消する新たな方策を考案するなどによって、おおむね順調に研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までの研究で判明してきた新しいシステムの導入・調整の煩雑さを解消する方策として考案した、レーザー回折法の標準的な光学系にリレーレンズを追加して仮想焦点面に遮光板を置く光学系について、実際の測定用光学系を試作して有効性を評価してみる。さまざまな測定対象について粒径計測の試行を行い、それらの結果を踏まえてシステムの改良を進める予定である。また、新たに改良を加えて開発したシステムについて導入説明書を整備して、可及的速やかにHPなどで公開する予定である。
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Causes of Carryover |
2015年3月13-14日の日本機械学会東海支部第64 期総会・講演会(TEC15)での研究成果発表(出張旅費および学会参加登録費)のために経費の一部を残してあったが、手違いにより科研費以外の他の経費からの支出となったことなどから執行残が生じた。これを無理に消化することなく次年度に繰り越しの扱いとしたため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の交付金と合算して直接経費として有効に使用する予定である。
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Remarks |
新しい簡易粒径計測システムの導入説明書をシステムに必要な他のファイルと共に上記Webページで公開している。
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