2014 Fiscal Year Research-status Report
新しくコルモゴロフ複雑度の概念を応用した流体混合測度と乱流遷移測度とその応用研究
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25420124
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
一宮 昌司 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (50193454)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 複雑さ / コルモゴロフ複雑度 / 正規化圧縮距離 / 乱流遷移 / 境界層 |
Outline of Annual Research Achievements |
混合層流と円管流の速度時系列データを測定して、このコルモゴロフ複雑度を求めた前年度に引き続き、平成26年度では、速度時系列データから画像ファイルを作成した。この画像には流れ方向変動速度uと垂直方向変動速度v間の変動速度をu-v平面上で点散布したものを採用した。これら画像ファイルの近似コルモゴロフ複雑度AKと正規化圧縮距離NCDを求めたが、速度時系列データ自体のAK,NCDに比べると乱流遷移過程中での変化が単調にならず、遷移測度としては問題があることが明らかになった。 ついで、新しい流れ場として平板境界層の自然遷移過程に対して速度時系列データの測定を行って、AKとNCDを求めた。これより以下の5項目が明らかになった。 1.コルモゴロフ複雑度に基づく乱流遷移進行の客観的な判断は,従来の変動速度や間欠係数による判断をほぼ支持した。 2.変動速度やその時間微分係数のAKは、間欠係数では区別できない乱流領域内部の複雑さを区別することができた。 3.変動速度とその時間微分係数のAK分布の類似性から、複雑さの微分に関する類似性が示唆された。 4.乱流組織構造ではAKは小さく,組織構造の熱線信号は外見上ランダムであるが,コンピュータ表現のアルゴリズムの長さは短いという意味で,アルゴリズム的に組織的であることがわかった。 5.乱流と非乱流間では、変動速度よりも変動渦度の方に複雑さの差異がより表れた。 以上の成果を、論文にまとめて日本機械学会論文集に掲載し、日本流体力学会年会、日本機械学会流体工学部門講演会及び日本機械学会中国四国支部講演会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
混合層流と円管流の画像ファイルを作成し、その複雑さ解析を行い、知見を得ることができた。 新しい流れ場として平板境界層の自然遷移過程に対して速度時系列データの測定を行い、知見を得ることが出来た。 以上の成果を、論文にまとめて日本機械学会論文集に掲載し、日本流体力学会年会、日本機械学会流体工学部門講演会及び日本機械学会中国四国支部講演会で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
混合層流ではノズル出口に板を取り付け、これを垂直方向に振動させる。これによって垂直方向の混合を促進させる。この状態で速度測定や可視化を行う。 平板境界層においては、画像データの解析を行う。また乱流フラクタル構造との関連を調べる。 以上の成果を、日本機械学会や日本流体力学会の講演会などで発表し、論文を投稿する。
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Research Products
(4 results)