2015 Fiscal Year Annual Research Report
新しくコルモゴロフ複雑度の概念を応用した流体混合測度と乱流遷移測度とその応用研究
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25420124
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
一宮 昌司 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (50193454)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 流体工学 / 乱流 / 遷移 / 複雑さ / コルモゴロフ複雑度 / 正規化圧縮距離 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の平成27年度は,円管流の助走部境界層内の乱流遷移過程に対して複雑さを解析した.噴流を流れに垂直に周期的に噴出し,それによって発生させた孤立乱流塊領域の不規則変動速度の,一定位相を満足する周期的なデータに対して,圧縮を行って近似コルモゴロフ複雑度AKと正規化圧縮距離NCDを求めた.その結果以下のことが明らかになった. 1.不規則変動速度のAKの変化は,不規則変動速度自身や間欠係数の変化と完全には一致しないが,孤立乱流塊が平板境界層乱流斑点型である間は大まかには合い,コルモゴロフ複雑度に基づく乱流遷移進行の客観的な判断は,従来の間欠係数による判断をほぼ支持する.このようにこれまで混合層と平板境界層の乱流遷移過程で確認されてきた事実が円管助走部境界層でも確認された.2.下流に進んで孤立乱流塊が円管発達流の乱流スラグ型になると,乱流塊外で間欠係数や不規則変動速度が小さくても,AKやNCDが大きい領域が壁面近くで存在して,変動の複雑度を反映する.3.不規則変動速度のAKやNCDを用いることにより,間欠係数では区別できない乱流領域内部の複雑さを区別することができる. 以上の結果を論文にまとめて日本機械学会論文集に掲載し,日本流体力学会年会及び日本機械学会中国四国支部総会講演会で発表した. このように,混合層,平板境界層,円管助走部の乱流遷移過程に対して複雑さを解析することによって,乱流遷移過程における複雑さの進展の様相を解明することができた.
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Research Products
(3 results)