2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420125
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岩本 幸治 愛媛大学, 理工学研究科, 講師 (80325357)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 流速測定 / 小水力エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
水路中に浸けた障害物の振動をスマートホンで検出し,簡単に水路の流速を測定できる装置を開発している.今年度は以下の3項目を実施した. 1.現在,障害物としては厚さ1mm,大きさ18mm×54mmの板を利用している.昨年までは流路中心に障害物を置いた場合のみを実験し,流速と障害物の振動数の関係を調べていた.今年度は流路中心以外でも同様の実験を行った.その結果,板全体が水中に浸かっている場合はどの場所であっても流速と振動数は同じ比例関係にあるが,板の背後に空気が巻き込む水面近傍では比例関係から外れてしまうことがわかった.本来,障害物からの放出渦の間隔が同じであれば比例関係は維持されるが,板の背後に空気が巻き込むと空気が渦と干渉してしまい,渦間隔が変わるものと考えられる. 2.アプリケーションにGPS機能を搭載できたので,松山市内を流れる小河川でデータを取得してみた.同時に計測した電磁流速計とのデータを比較することでアプリケーションも含めた計測システムとしての性能を確認した.多くの場合,流速が50cm/s程度であったが,電磁流速計との差が3%程度であった.中には誤差70%という悪い場合もあったが,その原因は障害物を流れと垂直に設置できないヒューマンエラーである.これを克服するため,重力センサも利用して障害物が傾いている場合は警告を出すようにする予定である. 3.InterFOAMを利用した数値シミュレーションを行った,その結果,板状の障害物よりも円筒状の障害物の方がより低い流速で渦放出が確認できることがわかった.1.で述べたように,背後の空気を巻き込むと流速と振動数の比例関係が利用できなくなって流速測定が困難になる.円筒状の障害物であれば背後に空気を巻き込みにくそうであることを考えると,円筒状の障害物を検討する必要がある..
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り,実際に小河川でデータを取得できるようにはなったが,流速測定のみであり,流量測定が行えていない.流量測定には障害物を上下左右に移動させ,障害物の位置と流速を同時に取得して積分する必要がある.障害物の位置検出に加速度センサの情報をそのまま利用すると,大きな誤差を含むことがわかった.これを克服するために,カルマンフィルタ等のフィルタリング技術を検討していたため,やや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
アプリケーションの開発では,正確なトラバース情報を取得するために,加速度センサのデータにフィルタリングを施す機能を実装する.ハード面では円筒状の障害物の評価を早急に行う.また振動を利用して発電を行い,スマートホンの電力消費を抑えられるかを検討する.
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Causes of Carryover |
データ収集用サーバーを購入する予定であったが,購入できなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ収集用サーバーを購入するほか,可能であれば発電機能実装のための機器を充実させる.
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Research Products
(1 results)