2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420158
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山下 博史 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40111835)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 熱工学 / エネルギー全般 / 燃焼工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
高効率高性能な超小型燃焼器の実用化において最も大きな課題は,非常に大きな比表面積のために,壁面からの熱損失と表面反応によるラジカル失活を如何に低減するかに係っている.そこで,本研究では,燃料・酸化剤の供給部を多孔体流入壁とすることにより壁面からの放散熱を回収する熱循環型超小型燃焼器を開発することを目的とし,平成26年度には下記の研究実績を上げた. 1.多孔体流入壁を有する熱循環型超小型燃焼器の燃焼特性を解明するために,前年度に検証したプログラムと初期条件・境界条件に基づき数値計算を実施した.このため,前年度に購入した数値計算用計算機を使用して計算を行い,本年度に購入した外付けハードディスクを用いて大量の三次元非定常の数値計算結果を保存した. 2.前年度の予備計算結果に基づき,種々の計算条件に対して,各種計算パラメータが燃焼特性に与える影響について検討を進めた.特に,壁面からの放散熱を回収する熱循環特性,表面反応によるラジカル失活特性に与える影響に注目した.数値計算に予定よりもかなり時間がかかり,特に多孔体背後での火炎の非定常振動現象を再現するための計算条件の設定に苦心した.しかしながら,この計算条件として,水素燃料で且つ素反応論的な効果が重要であるという有益な知見を見出すことができた. 3.前年度に引き続いて本研究と同様な超小型燃焼器に関する内外の研究動向を調査するためにいくつかの学会に出席し,有益な知見を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
数値計算結果の整理に予定よりも時間がかかり学会等での発表までに至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成27年度には,下記のように研究を推進する. 1.多孔体流入壁を有する熱循環型超小型燃焼器の燃焼特性の数値計算による解明を継続して行い,適切な計算条件について数値計算を実行し,各種計算パラメータが燃焼特性に与える影響を解明する.特に,壁面からの放散熱を回収する熱循環特性,表面反応によるラジカル失活特性に与える影響に注目する.また,計算結果を評価し,革新的な超小型燃焼器の開発のための指針をまとめる.特に,これまでに実施された計算結果を評価し,対応する実験結果と比較検討する.これにより,革新的な超小型燃焼器の開発のための指針をまとめる.なお,最終的な指針をまとめるに当って,必要に応じ追加の計算を実施する. 2.研究の総括と成果の発表として,得られた研究成果について総括し,配分予定の研究成果発表のための旅費を使用し,結果を国内外の学会等で発表する.さらに,配分予定の研究成果投稿料を使用し,内外の学会論文集に投稿し,社会・国民に発信する. 3.数値計算結果の整理に予定よりも時間がかかったため,25万円程度を残金として次年度に持ち越した.この残金により,最終年度である次年度には整理を加速し,追加の計算を行う予定である.
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Causes of Carryover |
数値計算結果の整理に予定よりも時間がかかったため,25万円程度を残金として次年度に持ち越した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
この残金により,最終年度である次年度には計算結果の整理を加速し,追加の計算を行う予定である.
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