2014 Fiscal Year Research-status Report
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25420211
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
保坂 寛 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (50292892)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | ジャイロ / コリオリ力 / 発電機 / 振動 / 風損 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
振動を電力に変換するジャイロ発電機の特性を，理論と実験により明らかにした．前年度に回転特性を明らかにしたコマ式ジャイロに対して，発電電圧の自転への正帰還による出力増大法を検討した．また，前年度に発想を得た振動ジャイロについて，コマ式との発電量の比較を行った．
１．コマ式ジャイロ
発電電力を自転モータに帰還させることで，自転速度を増大させ，同一の振動からより多くの発電電力を得る方式を検討した．まず理論解析を行った．ロータの自転運動エネルギが，発電電力と風損の差だけ増大するとして，ジャイロの式，風損の式，エネルギ増大の式を解き，最大発電量を見積もった．その結果，発電量は振動振幅と周波数の10乗に比例するという結果が得られた．つぎに，実験による検証を行った．昨年度に製作したジャイロにハブダイナモを接続した．振動により発電したものの，自転増速は出来なかった．この原因は，自転モータと軸受の損失が大きく，発電量を上回ったためである．また，ロータ内蔵モータを試作した．ロータ内に永久磁石を内蔵し，ジンバルにコイルを２個設置し，コイルに交流磁界を掛けた．ロータが誘導モータとして動作し，かつ，振動に対してジャイロ効果による歳差振動が発生することを確認した．しかし磁気効率が悪く，またロータのアンバランスが大きく，発電に十分な回転速度が得られなかった．
２．振動ジャイロ
次年度試作機の小型化のため，理論と実験により，コリオリ力による発電効果を検討した．その結果，定速回転時には，コリオリ力は回転機からではなく，加振機から供給され，発電効果はないこと，回転が変動する場合は変動分の２倍の周波数かつ位相が90度ずれた振動を加えると入力エネルギ以上のエネルギを取り出せること，その場合でも，コマ式ジャイロと比較すると，同一体積では発電量は１桁少ないことが分かった．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定の，コマ式ジャイロにおける帰還制御とロータ内蔵モータの設計は，予定通りに実施した．さらに，当初予定外の試みとして，次年度のプロトタイプ設計の先取りとして，振動ジャイロ方式を検討した．しかし，得られた結果は，目標を越えるものとならなかった．理論解析では十分な発電性能の見通しが得られたが，実験では検証できなかった．この原因は，本年度製作した実験機のモータおよび軸受の選定，組付けが不十分であったためである．より小径で精密な軸受と，コアレスモータの組合せで，自転損失を１桁下げられる見通しを得ている．次年度には，予定通り，発電機のプロトタイプを実現できる見込みである．
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| Strategy for Future Research Activity |
27年度は，当初計画通り「発電部の設計製作」と「プロトタイプの製作」を行う．26年度までの成果により，コマ式ジャイロを外部モータにより回転し，発電部にはハブダイナモを用いる構成が最も効率が良いと考えられる．26年度の実験機の欠点は，モータと軸受の損失であった．コアレスモータを用い，高精度の軸受を外注により組み付けてプロトタイプを製作する．
また，振動発電機はサイズが大きい方が効率が良い．そこで，応用分野として，物流機器を対象にする．振動が大きい，設置スペースが広い，位置追跡など自立電源へのニーズが高いなどの利点がある．実用発電機への要求条件をまとめ，プロトタイプの設計に反映する．
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