2014 Fiscal Year Research-status Report
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25420223
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
鈴木 健司 工学院大学, 工学部, 教授 (50251351)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオミメティクス / 移動機構 / MEMS / 機能表面 / 表面張力 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、昨年度開発した要素技術を利用して,ロボットの設計,製作を行った. 水面移動ロボットについては,表面に微細加工を施し撥水性を付与したワイヤ状の脚を様々な形状に加工し,水面上での支持力と流体抵抗の測定を行った.その結果,脚を細長い楕円形として,幅を5mmから10mmとすることで,支持力が高く,動的な外乱にも強く,流体抵抗も抑えられることが確認された.この脚を用いたロボットを製作し,自立移動行った結果,移動速度を向上することができた. 壁面歩行ロボットについては,液体の粘性を利用した付着パッドを開発し、従来の表面張力を利用したパッドに比べて,垂直方向,接線方向の付着力をと向上させることができた. 羽ばたき飛翔ロボットについては、トンボの翅に見られる棘状の微小突起をMEMS技術を用いて人工の翅に加工し,ロボットに搭載した.羽ばたき動作をさせて推進力を測定した結果,突起のない翅に比べて推進力が増加することが確認された.また,ステッピングモータにより翅をアクティブにひねることが可能な羽ばたき機構を開発し,翅のひねり動作(フェザリング)が飛翔に及ぼす効果を実験により検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、前年度に開発した要素技術を利用してロボットの設計、製作を行い,ロボットを用いた表面機能の検証を行うことが目的であった.実際に,水面移動ロボット,壁面歩行ロボット,羽ばたき飛翔ロボットを設計,製作することができ,様々な機能を実験により検証することができたため,おおむね研究の目的を達成できたといえる.成果発表についてはまだ十分には行えてないので,次年度に成果をまとめ,論文投稿や国際会議での発表を行う.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,要素技術の改善を行い,ロボットの性能をさらに向上させていく. 水面移動ロボットについては,まず撥水脚に関するシミュレーションと実験の両面から,支持力,推進力,流体抵抗などを評価することにより,脚の最適化を進める.さらに,開発した脚を用いて,水面移動ロボットの製作を行い,駆動機構、センサ,制御回路などを一体化し,環境のセンシングなどに応用可能なロボットの製作を目指す. 壁面歩行ロボットは,付着面に液体の供給,回収,洗浄機能などを搭載し,高い付着力と離脱性を両立させ,付着力が長時間持続するような脚を製作する.また,壁面や天井面を自由に移動できるような運動機構を考案し,ロボットの性能評価を行う. 羽ばたき飛翔ロボットは,昆虫の翅の微細構造や剛性分布を再現した人工の翅を開発し,羽ばたき運動を生成する駆動機構と一体化する.風洞装置などを用いて翅に生じる流体力を測定し,翅の微細構造と流体力との関係を解明する.また,翅に飛行速度や流体力などをその場計測する小型センサを搭載することも検討する.
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Remarks |
報道、展示会 (1)「研究機関・工学院大学 機能表面研究センター(FMS)―表面の微細構造が新しい技術を生み出す―」, フジサンケイビジネスアイ, 2014年8月6日 (2)「たまがわ昆虫展」にロボットを出展, ワークショップにてロボットを紹介, 玉川高島屋S・C, 2014年7月26日~8月20日
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