2015 Fiscal Year Annual Research Report
誘電体バリア放電型オゾナイザ内部のオゾンと窒素酸化物の生成過程解明に関する研究
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25420257
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
寺西 研二 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (80435403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 直行 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (90226283)
伊藤 晴雄 千葉工業大学, 工学部, 教授 (90083849)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オゾン / 窒素酸化物 / オゾン発生器 / 誘電体バリア放電 / レーザ光吸収法 / オゾンゼロ現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,可視光のレーザ光吸収法による誘電体バリア放電(DBD)中のオゾン密度分布計測を応用し,オゾン発生器内部のオゾンと窒素酸化物の数密度のin-situ測定を行い,オゾン生成を阻害するオゾンゼロ現象とDischarge poisoning(DP)を解析することである。 今年度は,オゾン発生器に空気を供給した際のオゾンと窒素酸化物の生成特性と,前年度から引き続き気体分子(オゾン)の光吸収以外の要因に伴う光透過率の挙動に関する問題を同時並行で検討した。オゾン発生器に模擬空気(N2:O2=8:2)または空気を供給し,オゾン濃度とオゾン発生器の排出ガス成分を,それぞれオゾンモニタとFT-IRを用いて調査した。オゾン発生器への投入エネルギー密度を増加させると,オゾン濃度は一旦増加して最大値を示した後,減少してゼロとなった。高エネルギー密度領域でオゾン濃度がゼロとなる現象については,FT-IRによるガス分析の結果,DP状態にあると考えられ,プラズマ中で生成された過剰な窒素酸化物がオゾンを分解し,発生器外部にオゾンが排出されない現象と考えられる。そこでDP状態にある場合とない場合について,594 nmのレーザ光をオゾン発生器内部のプラズマ中に照射し,光透過率の変化を調査した。その結果DP状態では,オゾン発生器外部で測定したオゾン濃度がゼロであるにも関わらず,594 nmの光が強く吸収される結果となった。これは594 nm付近に大きな光吸収断面積を有するNO2またはNO3がプラズマ中で生成されていることを示唆している。このような空気原料オゾン発生器内部で生成されるO3やNO2,NO3の生成濃度は,今後,3波長のレーザ光の光吸収特性を調べることで分離して測定可能と思われる。これらの成果については,2016年3月に東北大学で開催された平成28年電気学会全国大会において発表した。
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Research Products
(3 results)