2014 Fiscal Year Research-status Report
分散形エネルギー源の大量導入と電力系統の安定性を両立する自励式電力変換器制御
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25420258
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| Research Institution | The University of Tokushima |
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Principal Investigator |
北條 昌秀 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (10314840)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 建二 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (40641155)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | マイクログリッド / 自然エネルギー / インバータ / 周波数制御 / 電圧制御 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
太陽光，風力等の自然エネルギー利用型分散電源の導入拡大につれて，従来方式の連系点電圧位相同期形インバータを用いてこれらを多数台連系するとき，電力系統の同期化力の低下を招いて周波数の変動が大きくなることが懸念される。
これに対して，分散電源に用いられるインバータの高い制御性を利用し，その出力電圧の位相を適時微量にシフトすることで，電源間の有効電力の授受を実現して電力系統の周波数変動を抑制することを提案し，簡単な系統モデルでシミュレーションに基づきその基礎検討を進めてきた。提案している制御は，単一の制御ゲインの増減によって簡単にインバータの貢献度を調整できるところに特徴があるが，同時に併用する無効電力制御との干渉が生じる場合があった。
そこで，一定の幅の下で貢献度を調整する場合においては，無効電力制御との協調を図ることができ，周波数変動抑制と電圧変動抑制の両立が可能であることをシミュレーションで確かめることができた。また，前年度からの課題であった，具体的な自然エネルギー利用電源へと適用した例として，太陽光発電システムの系統連系インバータの制御に適用する方法を示し，良好な制御効果が得られることをシミュレーションで示し，これらの成果の一部を研究会論文としてまとめて国際合同シンポジウムで発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案制御方式の基礎的な内容について，対外発表を行って研究成果を外部に公表することができた。また，調査活動により，類似研究である仮想同期発電機に関する研究資料を収集し，本研究の独自性が単一制御ゲインによるインバータ貢献度の独自調整機能にあることを確認することができた。同時に，インバータ制御技術に期待が寄せられていることも確かめられた。
さらに，2年目に取り組む予定であった具体的な自然エネルギー利用電源への適用例について，太陽光発電システムを例にとり，様々な条件下でシミュレーションを行って検証を済ませた上で，これについても対外発表を行うことができた。
以上，最終年度での研究成果の充実とその後のとりまとめに向けて，研究資料の充実とこれまでの成果の公表が実現し，おおむね当初の目的を達成することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
提案制御方式のインバータ側のシミュレーション検証について一定の成果を得られたため，今後は提案制御を搭載したインバータが電力系統内に散在した場合の周波数変動抑制効果について，電力系統側の立場から検証を行う。その際，提案制御方式のインバータが連系された負荷ノードが，電力系統側から如何に見えるか，また，小規模外乱に対して如何に振る舞うかが重要な課題となる。そこで，簡単な模擬実験も行いながら，提案制御がもたらす制御効果の評価を行い，電力系統の安定性向上に貢献しうるインバータ電源の制御方式について本研究の成果とりまとめを行う計画である。
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| Causes of Carryover |
電力系統解析用ソフトウェアの無償公開が次年度初頭に予定されている情報を得たため，これによって電力系統側から見た制御効果の評価を行った上で研究成果発表を行う方が，信憑性を高く評価されることと考えた。これにより，物品費および旅費において次年度使用額が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
電力系統解析用ソフトウェアを使用する環境を充実し，解析補助を依頼するための謝金に充てる計画である。また，インバータ制御についての妥当性と変換回路技術者や分散電源技術者らと提案制御についての議論を行う目的で，広く研究成果の公表を行う計画である。
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