待機モードのゼロ消費電力を実現するＭＥＭＳウエイクアップモジュールの研究

2015 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 25420324
• Research Institution: The University of Electro-Communications
• Principal Investigator: 石橋 孝一郎 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (50614038)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2016-03-31
• Keywords: 電子デバイス / ＭＥＭＳ / ウエイクアップモジュール

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、MEMS共振器の作製プロセスの確立と作製したMEMS共振器を特定の周波数の電波を検出してウェイクアップ信号を発生するウエイクアップモジュールを実現することにある。
Ｈ２６年度まで静電型共振器でウエイクアップモジュールを実現する研究を行ったが、静電型共振器は、９００ＭＨｚの目標とする周波数帯においてウエイクアップ信号を発生するために必要なエネルギーを蓄積できないことがわかった。Ｈ２７年度はその結果を踏まえ、高周波数でエネルギーの蓄積が可能になる圧電型のＭＥＭＳ共振器の検討を行った。
圧電膜として、製造の容易性等を考慮して酸化亜鉛（ＺｎＯ）を選択した。圧電型MEMS共振器の作製に関して、各プロセスレシピの作成とZnOのアライメント露光以前のプロセスを確立した。Bulk型圧電MEMS共振器を作製して共振周波数測定を行ったところ、2.12GHz付近に共振ピークを確認することができた。ウエイクアップモジュールの実現に向けて、有限要素解析シミュレータ（Femtet）と回路シミュレータ（LTspice）を活用して、MEMS共振器の等価回路のパラメータを導く方法を確立した。また、導いたパラメータを用いて回路を組み、MEMS共振器と受動素子によるパッシブゲインを用いた信号昇圧回路を検討した。そして、ウエイクアップモジュールを構成するために必要なゲインを確保できることを示した。
以上により、圧電型MEMS共振器により、ウエイクアップモジュールを実現できる見込みを得た。