2013 Fiscal Year Research-status Report
自動車衝突防止レーダ等のための精密な近傍レーダ断面積評価法の開発
Project/Area Number |
25420325
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 弘一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00588303)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 近傍電磁界 / 幾何光学的回折理論 / 物理光学的回折理論 / レーダ断面積 / レーダ画像 / 近傍界遠方変換 / 自動車衝突防止レーダ |
Research Abstract |
本研究では、波長数ミリのレーダ電波に対して非常に大きな電気長をもつ自動車両等の物体との距離が、遠方から直前の近傍まで精度よく予測できる理論式を開発し、この妥当性有効性を評価するため、近傍におけるレーダ断面積の実測と理論評価を目的としている。 当該年度は申請者の公表している研究成果を整理し、かつ他の公表文献を調査しつつ近傍界に対する理論表示式を開発し、部分的な数値シミュレーションを実施した。実測の方は、レーダ画像を取得できる計測システムを構築し、平板等での実測を行って、理論式と比較分析した。この結果、構築した近傍界理論の妥当性が実証できた。成果の公表は現段階、研究会・国際シンポジウムに留めているが、雑誌論文および三次元実測値との比較は今後報告の予定である。 以下、研究実績の具体的な概要を記す。1.近傍界の理論計算に監視、物理光学法と幾何光学法によるアプローチを考え、まず後者の方法で二次元レーダ断面積の計算理論を構築した。2.これをレーダ機能を備えた計測システムで後方散乱界を取得し、画像処理を行った。この実測値を計算で求めた後方散乱界による画像と比較し評価した。3.理論の妥当性を確認するため、金属平板の他にコーナーリフレクターでの近傍レーダ断面積でも比較した。4.自動車後部等を意識した一般的なモデリングでのレーダ断面積の計算にも適用できるように、電磁波の陰影処理を行うアルゴリズムを開発している。また、幾何光学的なアプローチの他に散乱物体表面に電磁流から計算する物理光学的なアプローチに関しては、次年度に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
近傍電磁界の理論解析に関し、物理光学法によるアプローチの高次展開の定式化が予定よりやや遅れている。特に困難な作業ではないと予想しているので、再度、数式の見直しを行い、要所でコンピュータシミュレーションを行う。一方、幾何光学的なアプローチでの近傍電磁界の定式化はほぼ順調に進んでおり、今後早い時期に両者を比較して何れかを選択し、当初予定をキャッチアップできるようにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの部分的に開発してきたレーダ断面積近傍界の評価計算コードのシステム化を行う。これには使い勝手が良くなるように、パラメータ入力あるいは結果出力のユーティリティを含める。必要に応じて実験実測を行い、国際会議、国内研究会等において、得られた研究成果を公表する。 また、最終的な評価プログラムコードに関する記述および実測との比較分析をまとめ、最終年度において本研究の成果報告書を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度での物品費および旅費が事前見積もりより安価となったため。 ・金属および誘電体平板(レーダ目標物)の製作、シミュレーション用の複雑な三次元物体のコンピュータデータの購入 ・上記購入打ち合わせのための旅費、および成果発表のための国内外学術会議への参加費と旅費等に充当する
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Research Products
(9 results)