2013 Fiscal Year Research-status Report
プローブエピデミック伝送による情報滞留に関する研究
Project/Area Number |
25420360
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中野 敬介 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80269547)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遅延耐性ネットワーク / エピデミック伝送 / 情報滞留 / プローブ / 拡散制御 |
Research Abstract |
遅延耐性ネットワーク(Delay Tolerant Network: DTN)とは,地域情報配信,災害時通信のように長い遅延時間を許容して情報を得ることを優先するネットワークである.DTNの情報伝送手段であるエピデミック伝送では,宛先として特定の「端末」を想定することが多いが,DTNの応用分野では,「ある時間帯」に「ある場所」にいる「不特定の人々」への情報提供が必要である.本研究の目的は,所望の時間帯・空間内に伝えたい情報を「滞留」させるためのエピデミック伝送を開発すること,エピデミック伝送とプローブシステムを融合した新しい手法であるプローブエピデミック伝送を開発すること,情報空間滞留の理論解析等の研究を行うことである.平成25年度は以下のような成果を得た. 1.エピデミック伝送とは,無線端末が近隣の端末との直接情報交換と移動を繰り返すことで情報を拡散させる情報伝送手法であり,情報の拡散が端末の移動に依存する.サービスエリアを小領域に分割し,各領域間の情報の流れを計測,収集,モデル化し,これを利用することで,エピデミック伝送による情報の流れを制御する手法を示し,基本特性を評価した. 2.端末の基本ログ情報(時刻,位置,相手のIDなど)を端末が記憶し,データセンターに報告,蓄積し統計処理を行い端末群が共有し,エピデミック伝送に応用するというプローブシステムを開発し,比較的単純なモデルにおいて評価した. 3.情報拡散が,端末の移動特性,移動経路の構造等に依存するため,有効な移動体流を積極的に利用して目的の空間に情報を滞留させるための基本特性の評価を行った. 4.上記の研究と並行して,プローブシステムと連携するエピデミック伝送プロトコルを開発し,評価を行った. 5.エピデミック伝送等の理論解析を行い,基本特性を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の当初計画通りに,エピデミック伝送による情報滞留のために情報の流れをモデル化・応用したプローブエピデミック伝送の開発を進めることができたため.また,エピデミック伝送による情報滞留の基本特性の評価を行うことができたため.また,情報滞留の理論解析を行うことができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に開発したプローブエピデミック伝送を今後更に改良することは当初から予定していることであるが,省エネルギー化,オーバーヘッド削減のための情報拡散の最適化を更に進める必要がある.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費とその他の支出費目の使用額が当初予定よりも少なくなったため次年度使用額が生じることとなった. 次年度使用額については主に旅費として使用し,この旅費を用いてプローブエピデミック伝送に関する情報収集を行う.
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Research Products
(10 results)