2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420406
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
廿日出 好 近畿大学, 工学部, 准教授 (90339713)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 計測システム / SQUID磁気センサ / 超低磁場 / 培養細胞 / NMR/MRI / 環境磁気 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,細胞活動由来の磁気を超低磁場NMR/MRIに応用し,細胞活動・機能を画像に含めて表現する,機能的MRIマイクロスコピーという新しい画像化技術の実現可能性検討である。本技術の原理は,培養細胞の活動由来の低周波数弱磁場は,超低磁場におけるNMR/MRI計測において,静磁場を乱してラーモア周波数を変化させたり,細胞自身や細胞周辺にある培養液中のプロトン1Hのスピンを回転させたりする可能性を有することにある。そこで,本研究では,上記技術の基礎となる超低磁場NMR/MRI装置および技術の開発を行った。超低磁場では,NMR/MRI信号が微弱かつ低周波数となるため,低周波数で約100fTの高感度特性を有するHTS-SQUIDを磁気センサとして用いた。2014年4月に大学を移ったため,まずはSQUID磁気センサの動作確認,および実験環境の磁気ノイズの計測を行った。この結果,約40~50μTの磁磁気に加え、大学内のWifi基地局から送受信される電磁波の存在が確認され,SQUID磁気センサの動作に大きな影響を与えることが明らかになった。そこで電磁波シールドを併用したアクティブ磁気シールド技術の開発を検討した。ここでは約10pTの感度を有するフラックスゲート磁束計を用い,高感度な環境磁気計測およびアクティブシールド技術を開発した。今後は新しい環境中での超低磁場NMR/MRI実現の可能性を示し、細胞活動由来の低周波数低磁場検出に応用できるか実現可能性について研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では,平成26年度の研究計画は,高い安定性と10 pTレベルの磁場感度を有するフラックスゲート磁束計を用いたアクティブ磁気シールドの適用・評価を行い,nTレベルでのNMR/MRI計測を実現することであったが、2014年4月に大学を異動したため,計測に用いる超伝導SQUIDセンサの動作確認や磁気環境を確認する必要が発生した。そこで、SQUID磁気センサの動作確認,および実験環境の磁気ノイズの計測を行った結果,無線通信の電波がSQUID磁気センサの動作に大きな影響を与えることが明らかになった。アクティブ磁気シールドの検討はほぼ予定通り進んでおり,今後は当初予定に追いつくよう研究を推進する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度では,アクティブ磁気シールドの適用・評価を行い、その中でのnTレベルでのNMR/MRI計測実現性を検討する。これが実現可能であれば,水や培養液の内に微小電極を配置して,微弱なDCパルス的磁場を発生させ,細胞活動由来磁場を模擬した擬似磁場によるNMR信号周波数変調が計測できるかどうかを調べる。また,擬似信号源から交流磁場を発生させたときに,励起パルスの役割を果たしてNMR信号が発生するかを調べる。これらにより,nTレベルの超低磁場中でNMR現象が生じるDC磁場および交流磁場の強度を調べ,超低磁場NMR/MRI技術が細胞活動由来の低周波数低磁場検出に応用できるかを明らかにする。
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