• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

再生骨材とフライアッシュを組み合わせたコンクリート構造物のリサイクル技術の開発

Research Project

Project/Area Number 25420461
Research InstitutionToyama Prefectural University

Principal Investigator

伊藤 始  富山県立大学, 工学部, 准教授 (10553133)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsコンクリート / 土木材料 / リサイクル / 再生骨材 / フライアッシュ / 短繊維 / 力学性能 / 耐久性能
Outline of Annual Research Achievements

フライアッシュ(FA)を混和した再生骨材コンクリートを構造物のリサイクルに利用する手法の開発を目的に、3つの課題の解決に取り組んでいる。課題は(1)耐久性向上の確認、(2)力学性能の把握と構成則の確立、(3)構造設計手法の確立である。
(1)耐久性向上の確認:FAを混和した再生骨材コンクリートを用いて、H25年度に①塩分浸透試験(電気泳動法)、②表面吸水量試験(土木研究所法)、③アルカリシリカ反応(ASR)膨張率試験(デンマーク法)を実施した。その結果、FAを添加した再生骨材コンクリートの塩分浸透抵抗性は、材齢の経過とともに改善した。また、FAを添加することで再生骨材コンクリートのASR膨張量を抑えることができた。課題として、電気泳動法による塩分浸透試験の結果にばらつきが大きかったことが挙げられた。H26年度はこの課題解決のために④浸漬法による塩分浸透試験を実施しており、浸漬期間3ヶ月の試験が終了した。その結果から、FA添加により再生骨材コンクリートの塩分浸透抵抗性の改善が確認できている。
(2)力学性能の把握と構成則の確立:課題(1)と同様の混和条件に加えて、短繊維を混入した供試体を用意し、H25年度に①圧縮破壊実験を実施し、FA混和による圧縮強度や破壊挙動の改善効果を明らかにした。H26年度には②切欠きを有するはりの曲げ試験を実施し、引張軟化曲線を算出した。また、③拘束ひび割れ試験を実施し、ひび割れ抵抗性を評価した。加えて、④乾燥収縮試験を実施して、試験のひずみ履歴を土木学会の算定式で粗骨材の吸水率を考慮することで推定できた。
(3)構造設計手法の確立:課題(2)の材料構成則を導入した構造解析を実施し、混和条件による耐荷力や変形性能の違いを検討する項目である。引張軟化モデルと乾燥収縮ひずみ式を導入した拘束ひび割れ試験のモデル解析を実施し、ひび割れ幅がおおむね一致した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

実施項目(1)および(2)における実験項目は当初計画どおりに進展している。しかし、実設計に適用するための精度向上には実験の追加が必要であると考えて「おおむね順調に進展している」と評価した。(全体の達成度:68%)
(1)耐久性向上の確認(達成度80%×割合0.4):今年度までに計画していた3つの実験を終了し、FA混和が塩分浸透抵抗性とASR膨張抑止性の改善に与える影響を確認し、当初計画通りに進展している。精度向上のために、追加実験を実施または計画しており、塩分浸透抵抗性では電気泳動法に代えて浸漬法での実験を継続している。ASR膨張抑止性では結果の検証ならびに現象の理解を目的に、追加試験を実施する。
(2)力学性能の把握と構成則の確立(80%×0.3):今年度までに計画していた4つの実験を終了し、その定量評価や構成則検討を行っており、当初計画どおりに進展している。圧縮軟化モデルの精度向上のために、圧縮破壊実験の追加を計画している。
(3)構造設計手法の確立(40%×0.3):引張軟化モデルを用いて拘束ひび割れ試験のモデル解析を実施した。加えて、通常コンクリートを想定した鉄筋コンクリートの試験体モデルや梁モデルの解析を実施した。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究(27年度)として、当初計画通りに3つの研究課題を行う予定である。
(1)耐久性向上の確認:塩分浸透抵抗性について、電気泳動法ではばらつきが大きいことが課題であったため、浸漬法で追加試験を行っており、浸漬期間6ヶ月の塩分分析を実施する。また、ASR膨張抑制について、これまでに各パラメータ1体で良好な結果が得られたため、影響要因を精査するためのパラメータを設定して追加試験を行う。最後にFAを添加した再生骨材コンクリートの耐久性設計に関して提案を行う。
(2)力学性能の把握と構成則の確立:切欠きを有するはりの曲げ試験から得た引張軟化曲線を分析し、混和条件ごとの引張軟化モデルを構築する。また、圧縮破壊実験の追加実験を行い、これまでの実験結果と合わせて、再度データを整理することで圧縮軟化モデルを構築する。
(3)構造設計手法の確立:課題(2)の引張軟化モデルと圧縮軟化モデルを導入した解析プログラムを用いて、鉄筋コンクリートの試験体モデルや実大の梁モデルの解析を実施する。最後に、FAを添加した再生骨材コンクリートの構造設計に関して提案を行う。

Causes of Carryover

主な次年度使用額(1,279千円)の理由は、ASR骨材・化学分析の委託(400千円)およびスイッチボックスの購入(520千円)を27年度に持ち越したためである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

27年度の主な使用計画は以下のとおりである。
・ASR骨材・化学分析の委託費用:400千円、・スイッチボックスの購入費用:520千円、・アクリル棒(ゲージ付き)200千円

  • Research Products

    (4 results)

All 2015 2014 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] フライアッシュを添加した再生骨材コンクリートの圧縮破壊特性に関する実験的研究2014

    • Author(s)
      中畔大夢,伊藤始,谷拓郎,鈴木祥太
    • Journal Title

      コンクリート工学年次論文集

      Volume: Vol.36 No.1 Pages: 1738-1743

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] フライアッシュの添加が再生骨材コンクリートの乾燥収縮特性に与える影響2015

    • Author(s)
      窪田一沙、伊藤始、鈴木祥太、藺森悠伎
    • Organizer
      土木学会中部支部研究発表会
    • Place of Presentation
      豊橋技術科学大学
    • Year and Date
      2015-03-06
  • [Presentation] フライアッシュの添加が再生骨材コンクリートの曲げ強度特性に与える影響2014

    • Author(s)
      窪田一沙,伊藤始,鈴木祥太,中畔大夢,谷 拓郎
    • Organizer
      土木学会第69回年次学術講演会
    • Place of Presentation
      大阪大学
    • Year and Date
      2014-09-10 – 2014-09-12
  • [Remarks] 富山県立大学 伊藤研究室ホームページ

    • URL

      http://www.pu-toyama.ac.jp/EE/itouh/index.html

URL: 

Published: 2016-05-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi