2014 Fiscal Year Research-status Report
クローズドリサイクルの実現に向けた酸溶解液の選定と回収骨材の品質確認
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25420464
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
栗原 哲彦 東京都市大学, 工学部, 准教授 (50262746)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ギ酸 / 再生骨材 / 密度 / 吸水率 / pH |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年度のコンクリート溶解実験の結果から、コンクリートの溶解に適するものとしてギ酸および塩酸が選定された。2014年度は扱いやすさの観点からギ酸を選択し、以下1、2を目標にコンクリートの溶解実験を行った。 1、溶解期間中における再生骨材の密度・吸水率の変化を調査する 2、「作製→破砕→溶解→骨材回収→物性値確認」のサイクルを複数回実施し、骨材の長期使用を検討する その結果、溶解開始3日目まででかなりの部分の溶解が進み(密度、吸水率の回復が著しい)、その後、徐々に溶解が進行することが分かった。以前は、細・粗骨材の同時溶解は溶液の粘度増加により途中で溶解を中止することもあったが、その後、溶液量を調整し、攪拌を12時間ごとに実施することで、細・粗骨材同時溶解が可能となった。また、細・粗骨材いずれも溶解開始5日目で密度・吸水率がJIS 規格のH 相当となり高品質な再生骨材を回収できることが分かった。さらに、溶液量を調整すると、溶解開始3日目で溶解を完了できる可能性を見た。また、ギ酸溶液のpHについては、2013年度では一部に計測不備があったが、2014年度ではpHの計測が良好に行われた。ギ酸溶液のpHは、溶解開始時点で2.1であったものが溶解7日目で3.3となることが分かった。 以上より、2014年度の実験はおおむね順調に進行した。しかし、上記2に掲げる複数回実施に関しては、その実験は年度内に完了せず、2015年度へ延長となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に掲げた2014年度の研究実施計画では、2014年度に実施する実験として、(1)溶解期間中の再生骨材の密度・吸水率の変化、(2) 酸溶解により回収した再生粗・細骨材の複数回利用、(3) 再生骨材回収後の酸水溶液からのカルシウム分の分離方法とある。このうち、(3)の一部については、すでに2013年度に先行して実施しており、カルシウム分の分離に成功している。上記(1)については、2014年度に実施し、溶解開始からおおむね3日程度まででコンクリートの溶解が著しく進行することが分かった。上記(2)については、2014年度内に実験は完了せず、2015年度へ延長して実施することとなった。上記(1)については、溶解7日までの再生骨材の密度・吸水率を調査した。今後、溶解3日までの溶解初期における密度・吸水率の調査が必要である。 以上より、研究達成度を85%と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度の成果を受け、2015年度は以下の実験/まとめを行っていく。 (1)「作製→破砕→溶解→骨材回収→物性値確認」のサイクルを複数回実施し、骨材の長期使用を検討する (2)再生骨材回収後の酸水溶液からのカルシウム分の分離方法
(2)については、すでに溶解後の酸溶液に水酸化ナトリウムあるいは炭酸ナトリウムを添加することで、カルシウム分の分離に成功しているが、他の方法についても検討を加える。
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Causes of Carryover |
国内調査出張の一部中止、ならびに一部実験の進行が遅延し、必要となる酸溶液(ギ酸)の購入を見送ったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度に実施するコンクリート溶解実験に使用するギ酸の購入費にあてる。
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Research Products
(1 results)