2014 Fiscal Year Research-status Report
腐食劣化した高力ボルト継手の残存性能評価法に関する研究
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25420488
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
下里 哲弘 琉球大学, 工学部, 准教授 (90452961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有住 康則 琉球大学, 工学部, 教授 (90109306)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高力ボルト / 腐食 / 実腐食形状 / 残存軸力 / ひずみゲージ法 / コア抜き法 / FEM解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、我が国の重要インフラである鋼橋において、重度の腐食劣化が原因で大規模な補強や通行止めなどが多く報告されるようになり、鋼橋の老朽化に伴う安全対策の必要性が強く求められている。そのような状況の中、腐食環境の厳しい沖縄において、著しく腐食劣化した鋼橋の崩壊事故が生じるなど事態は深刻化しており、腐食劣化した鋼橋に対し安全かつ実用的な耐久性能評価法の確立が急務となっている。本研究では鋼橋の腐食部位の中でも腐食速度が速く、橋の安全性が著しく損なわれる危険性のある高力ボルト継手を対象に、腐食高力ボルト継手の残存耐荷力性能と疲労耐久性の評価を目的とする。研究実施に際しては、過年度までの申請者の科学研究費研究成果を発展させ、腐食高力ボルトの腐食減肉量を用いた残存軸力の定量評価法の構築、腐食高力ボルト継手の残存耐荷力性能評価法および腐食高力ボルト継手の疲労強度評価法の提案に関する研究を行い、腐食劣化した高力ボルト継手の安全かつ実用的な残存性能評価法を提案する。 本年度は,高力ボルトのナット部及びボルト頭部の両側の腐食減肉量と減肉形状に着目し,その腐食と残存軸力との相関を実験および解析的に検討した。先ず,腐食鋼橋から切り出した摩擦接合継手の高力ボルトのナット部とボルト頭部の減肉量と減肉形状を計測し,その後,腐食した高力ボルトの残存軸力をコア抜きによるひずみゲージ法にて計測した。なお,ひずみゲージを貼り付けるボルト頭部の腐食減肉の影響とその補正法についても検討した。次に,ナット部とボルト頭部の腐食減肉形状と残存軸力との相関について弾塑性FEM解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、腐食高力ボルト継手の残存耐荷力性能の評価を目的としている。本年度の研究は実腐食減肉形状を有する摩擦接合継手型の高力ボルトを対象に,腐食したナット部及びボルト頭部の減肉量及び減肉形状の計測と残存軸力の測定実験とナット部とボルト頭部の腐食減肉形状をモデル化した弾塑性FEM解析を行い,その腐食減肉形状と残存軸力との相関分析を行った.その実験及び解析結果より,座金近傍範囲におけるボルト頭部とナット部の腐食減肉量を平均化し適用することで,実腐食減肉形状を有する高力ボルトの残存軸力の評価できること結果を得られたことから、研究目的の達成度に向けての進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,実腐食した高力ボルトを用いて,腐食減肉量や腐食減肉形状と残存軸力との関係を解析的及び実験的に検討を行ってきた。次年度は,実用的な腐食高力ボルトの残存軸力評価法の提案を目標に,腐食に伴うナット部やボルト頭部の偏った減肉が残存軸力に及ぼす影響の検討を行い,より精度の高い実用的な残存軸力評価手法の提案を行う。
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Research Products
(3 results)