2014 Fiscal Year Research-status Report
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25420515
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有働 恵子 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (80371780)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 飛砂フラックス / 地形乱流 / 飛砂センサー / LES / UD-101 |
Outline of Annual Research Achievements |
現地海岸の非定常で複雑な風場条件下においては,砂丘周辺の変形特性に不明な点が多いことから,効率的な管理に必要とされる十分な精度を有する砂丘変形予測技術は開発されていない.本研究は,砂丘変形予測技術に必要とされる飛砂モデルを構築するために,申請者が発展させてきた最先端の高精度かつ高頻度の計測技術を用いて飛砂フラックスを高時間分解能で取得し,これと3次元数値風況予測モデル(LES)により高空間分解能で再現された非定常の地形乱流場との詳細な関係性を調べることにより,地形乱流場における飛砂メカニズムを解明することを目的とするものである. 平成25年度は,砂丘規模の異なる山形県庄内砂丘(砂丘面積:数100m2)と鳥取県鳥取砂丘(砂丘面積:数km2)の現地データを解析し,これらの比較を行うことにより,飛砂特性の一般性について解析を行った.平成26年度は,鳥取砂丘を対象として,特に乱流特性に着目した詳細な解析を行った.その結果,鉛直方向風速の乱流強度が小さい場合に飛砂フラックスが大きいという特性を見出した.さらに,3次元非定常数値風況予測モデルRIAM-COMPACTにより,鳥取砂丘周辺の風場を再現し,その検証を行った.GPGPUを導入したことにより,1000万をこえる計算格子数(水平方向の最小格子間隔10m程度,鉛直方向最小格子間隔1m程度)を有する砂丘周辺の風場計算を高速で実施することが可能になり,より詳細な風場の把握が可能となった.得られた再現結果は現地データと整合しており,従来行われてきた平均風速場の再現とこれを用いた飛砂フラックス推定では,砂丘変形を再現しえないことを実証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した今年度までの計画はほぼ達成している.
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では,現地調査時の風向風速条件で風場の数値計算および飛砂フラックスとの関係の解明を行っている.平成27年度は,過去の風向風速データを解析し,これを参考にRIAM-COMPACTを用いて様々な条件下の風場計算を行い,本研究で得られた風場と飛砂フラックスの関係が過去の砂丘変形を説明しうるかどうかを確認する.説明が困難である場合には,再び現地データに立ち戻り,砂丘変形予測に資する知見を得られるよう努める.
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Causes of Carryover |
予定していた学会への参加がなくなったために,旅費を使用しなかった.また,人件費・謝金の使用を予定していたが,作業が高度で技術補佐員や学生に依頼できるものではなかったために,自分で行うこととなり謝金の支出がなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度,RIAM-COMPACTの作業をルーチン化し,技術補佐員でも作業ができるようにしたため,平成27年度は技術補佐員を雇用して作業を効率的に進める予定である.
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