2013 Fiscal Year Research-status Report
個別家屋の浸水素過程を考慮した洪水流出・浸水シミュレーションシステムの構築
Project/Area Number |
25420530
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
天口 英雄 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (40326012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 明 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (10177735)
中川 直子 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 特任准教授 (70452034)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 建物浸水 / 都市水文 / 地理情報システム / 洪水流出解析 / 浸水解析 |
Research Abstract |
都市中小河川流域における豪雨時の浸水は、雨水・下水道管路などの施設が排水不良を起こして内水として発生するほか、河川沿いでは内水に河川の溢水が重なることで複合的に発生している。本研究では、特に建物が密集する東京都内の中小河川流域における豪雨流出現象に対し、建物浸水素過程を考慮した分布型洪水流出・浸水予測モデルを構築することを目的としている。 平成25年度は、建物の浸水素過程を考慮した、プロトタイプの分布型洪水流出・浸水予測モデルを構築し、神田川上流域への適用を行った。また、他流域での本モデルの適用可能性を高めるため、公共測量標準図式から洪水流出解析に用いる地表面の地物データGISを構築を実現する、地物データセットアップ支援システムを立ち上げた。支援システムは、ArcGISを用いて、① 建物、道路、河道、街区からなる基礎的地物データGISを公共測量標準図式から抽出するサブシステム、②道路を解析用の微小要素に分割するサブシステム、③街区内敷地・植生境界および土地利用・植生種別を用いて街区を分割するサブシステム、そして④等高線より作成した地盤高を地表面地物に対して設定するサブシステムなどからなり、これら4つのサブシステムを統合して開発した。さらに、本モデルの高速解析を目的に、土地利用地物要素内(直接流出量の算定と建物要素から道路要素への流出量の算定および地表面の流れ)、および雨水・下水道管路の流れの部分で、OpenMPを用いた並列処理の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神田川上流域を対象に、建物の浸水素過程の氾濫解析を実施し、良好な結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に構築した地物データGISセットアップ支援システムを用いて、流域面積が約20平方kmを有する、東京都の代表的な中小都市河川である神田川支川善福寺川流域を対象に、地表面の地物データGISの構築を行うとともに、浸水解析を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画していた研究発表をとりやめたため、次年度利用額が発生した。 研究成果の発表の他、解析システム購入費として利用する計画である。
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