2013 Fiscal Year Research-status Report
腰壁および垂れ壁を有する架構の構造性能に関する実験的研究
Project/Area Number |
25420572
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
田才 晃 横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 教授 (40155057)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 浩一 横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 准教授 (00292748)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 鉄筋コンクリート / 梁 / 腰壁 / 構造スリット / せん断余裕度 / せん断破壊 |
Research Abstract |
現在,鉄筋コンクリート構造建築物の多くの架構に腰壁・垂れ壁付き梁が含まれるが、梁の両端に構造スリットを設けることで二次壁の影響を無視する部材設計が慣例的に行われている。しかし、構造スリットを有する二次壁の影響は明らかにされておらず、筆者らの既往の研究において、大きなせん断余裕度を有する構造スリットを設けた片側壁付き梁試験体の静加力実験を行った結果、部材角-/25(rad.)で梁のせん断補強筋が降伏し、せん断余裕度が低い梁のせん断破壊の危険性が指摘された。そこで本研究では、せん断余裕度を低くした構造スリットを有する片側壁付き梁の端部の破壊状況及び変形性能を検討することを目的とし、試験体2体を作成し静的加力実験を行った. せん断余裕度を一般的な設計における1.1~1.2程度と設定し、梁せいを変化させてせん断補強筋比を入力せん断力に応じて変えた試験体について、地震力を模擬した静的加力を行なったところ、どちらの試験体も梁主筋の引張降伏後、腰壁と柱の間に設けたスリットを契機に発生した斜めひび割れが大きく開口し、せん断補強筋の破断による急激な耐力低下を生じた。これは現行の耐震設計では想定されていない脆性的な破壊であり、このような破壊の防止と変形能力の確保のため、継続研究が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的において、鉄筋コンクリート造梁が構造スリットの存在により、現行の耐震設計法では想定していない危険な破壊モードとなる可能性を予測し、その現象を実験的に確認するすることに成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究で明らかとなった構造スリットに起因したせん断破壊を防止する設計法を確立するために、梁端部の必要補強量およびスラブの効果に焦点を絞った実験研究を推進する。
|
Research Products
(1 results)