2014 Fiscal Year Research-status Report
豪雪地帯の既存木造建築物の倒壊を防止する耐雪補強設計法の開発
Project/Area Number |
25420594
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
西村 督 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (30367445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 正美 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (40170469)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 豪雪 / 木造建築物 / 座屈 / 倒壊 / 兜蟻仕口 / 割裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究課題は過大な積雪を受けた木造架構の崩壊モードを評価する手法の開発である。具体的には小屋梁-軒桁の兜蟻仕口の耐力により屋根架構が崩落するか、架構全体が座屈するかを判断する。被害家屋の損壊調査からいずれのモードで崩壊したかを断定することはできなかったが、桁架構中央付近で小屋梁(男木側)のせん断割裂が残っていた。架構の座屈で倒壊したとしても梁の割裂は先行していたと仮定すれば、鉛直および水平剛性の低下は間逃れない。倒壊のきっかけは小屋梁-軒桁の兜蟻仕口の割裂破壊と考えられる。解析でも座屈前に蟻の平均せん断応力度がせん断強度を超えている。 蟻仕口に関する既往の研究を調査した。破壊する部材(男木か女木)を決めるパラメータは仕口の形状であり、腰のせいに依存する。また破壊モードも3つ(男木の割裂、女木の割裂、受圧部のめり込み圧縮破壊)存在する。提案されている破壊荷重の推定式から倒壊積雪深を予測は困難である。 倒壊が小屋梁-軒桁の兜蟻仕口の割裂破壊としたとき、横架材が割裂したとしても架構の剛性低下防ぐことができれば、建物の倒壊を防止する補強設計につながる。H26年度では小屋梁端部に補強シートを巻くことで割裂による急激な剛性低下を防止する補強法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定している崩壊モードのいずれにも関わる破壊原因を絞り込み、具体的な補強法の案を提示することができた。一方、補強効果を確認するための実験を新たに実施する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方策は、提案した補強法の効果を発揮するための仕様を実験的に明らかする。その結果を基に、小屋梁-軒桁の兜蟻仕口の割裂破壊に起因する木造家屋の倒壊を防止する耐雪補強設計法をまとめる。
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Causes of Carryover |
計画していた崩壊モード評価に関する検証実験を実施する前に、想定される崩壊モードに共通する破壊を特定した。その結果、崩壊モードの評価より崩壊につながる破壊を防止するする補強法の提案を優先し、計画していた実験を中止したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度の実験予算を補強効果を確認する新たな実験に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)