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2013 Fiscal Year Research-status Report

中国広州市城中村の持続的居住環境形成に向けた集落固有性の評価

Research Project

Project/Area Number 25420624
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionUtsunomiya University

Principal Investigator

三橋 伸夫  宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50229746)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佐藤 栄治  宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40453964)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords城中村 / 集落固有性 / 歴史文化 / 農業経営 / 住宅増改築 / グリーンツーリズム
Research Abstract

過去の研究実績にもとづき、まず、広州市城中村の固有性に関するチェック指標として文化・観光資源、福祉、地場産業、農業の4項目(12細目)を作成し、城中村の概況について把握した。次いで、これまでの調査集落に加えて新たに大嶺村、華嶺村、京塘村の3村を選定して予備的な調査を行った。調査内容は事前に白地図を入手した上での現地踏査による集落居住域内での建物のチェック(新築、増改築、取り壊し等の確認)、村民委員会でのききとりと資料収集である。これまでの既存調査4集落のうち2集落(黄辺村、小洲村)についても集落居住域内での建物チェックを行い、比較・考察を行った。結果として、以下の諸点が明らかとなった。
①いずれの集落においても建物の新築と増改築が行われており、建蔽率、容積率は増加しているが、市中心に距離的に近い既存調査2集落と比較すると、新たに調査した3集落では建蔽率、容積率ともに小さく、増加率も低い。
②歴史文化保護区に指定されている小洲村では、保護エリア、規制エリアのいずれにおいても階数が超過した違法建築が増加しており、また、居住域周辺の農地エリアも公園への転用が進んでいる。高層高密化が集落の固有性としての歴史文化景観を侵食している。
③新たに調査した3集落の集落固有性については、伝統建築物や水路、池塘など歴史文化的な特徴を残す集落(大嶺村)、農業環境を生かしてグリーンツーリズムの萌芽的取組が見られる集落(京塘村、華嶺村)が見られた。城中村の不動産投資(住宅増改築)によらない持続的開発の可能性がある。
④上述の3集落においても、若い世代を中心に農業以外の主に製造業など他産業への就業が進展し、集落農地は他集落農家の耕作、あるいは企業的経営に委ねられつつあり、このままでは農業環境という集落固有性の基盤の持続が危ぶまれる状況にある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

広州市中心からの距離に応じた城中村の立地条件の悪さが村の借家需要の大きさの減衰につながるという仮説は、今回新たに選定した3集落の現地踏査の結果、ならびに既往調査4集落との比較を通じて概ね実証できる目途がついた。地下鉄や路線バスなど公共交通の充実度合と密接に関連するためであることも現地踏査を通じて実感された。
一方、集落固有性の観点では、農業および農業関連以外の地場産業についてはその可能性が低いこと、そのため城中村の持続的発展の方向性は、大きく歴史文化的固有性と農業環境的固有性に限定されてくるのではないか、また、後者については、経済的発展が農業から他産業への住民の就業転換を促進しており既存の農地保全策のみならず積極的な農業振興策も必要ではないか、という中間的なまとめを得た。

Strategy for Future Research Activity

2年目となる平成26年度は、新たに2集落の調査対象を追加して選定する方針である。その選定の観点としては、ひとつは歴史文化的な環境を積極的に活用している集落、もうひとつは農業振興ならびに農業関連産業の育成に取り組んでいる集落、を考慮する。
いずれも、そうした取組を成立させている村の自然的、社会・経済的条件の解明と他村への普及という観点での普遍性についての分析・考察に研究の重点を置く。
さらに、これらの取組を単に観光やツーリズムの振興という観点からだけではなく、小学校での教育(環境教育、歴史教育など)や社会教育をはじめとする村のアイデンティティ形成、福祉(特に高齢者福祉、障がい者福祉など)的な観点からの生きがいの場づくり・環境整備、住民の参加にもとづく民主的な村の将来ビジョンの策定などを通じた住民の主体性意識の醸成、など総合的な固有性評価の観点を設定して研究計画の立案を行う。
既往調査集落についても、上記の観点から継続的に調査を行う。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 各集落の産業的固有性からみた集落固有性-中国広州市における集落固有性に関する研究その12014

    • Author(s)
      陶鋒・本庄宏行・三橋伸夫・佐藤栄治・黎庶旌・望月瞬
    • Organizer
      日本建築学会大会
    • Place of Presentation
      神戸大学
    • Year and Date
      20140912-20140914
  • [Presentation] 居住域内における空間構成からみた集落固有性-中国広州市における集落固有性に関する研究その12014

    • Author(s)
      本庄宏行・陶鋒・三橋伸夫・佐藤栄治・黎庶旌・望月瞬
    • Organizer
      日本建築学会大会
    • Place of Presentation
      神戸大学
    • Year and Date
      20140912-20140914

URL: 

Published: 2015-05-28  

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