2015 Fiscal Year Annual Research Report
元素ドーピングによるアルミン酸カルシウム・エレクトライド単結晶の電子活性機能創製
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25420708
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
田中 功 山梨大学, 総合研究部, 教授 (40155114)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アルミン酸カルシウム / エレクトライド / 単結晶育成 / FZ法 / ブリッジマン法 / 固溶限界 / 分配係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、1. 銅置換 C12A7単結晶のエレクトライド化とその熱電特性評価、2. 希土類元素を添加したC12A7単結晶の育成と固溶領域の検討、3. C12A7エレクトライド単結晶の直接育成を実施した。 TSFZ法により育成した銅置換C12A7単結晶を熱処理して黒色のエレクトライドを合成した。そのエレクトライドの熱電特性の評価を行った結果、銅置換 C12A7 エレクトライドの熱伝導率は室温において5.5 W/mKと小さいが、ゼーベック係数が金属並みに低いことがわかった。この原因としてキャリア密度が大きいことが考えられ、エレクトライド熱処理条件の最適化によりキャリア密度を制御すれば、熱電特性を向上されることが示唆された。 Y, Nd, Eu, Hoの希土類元素を添加したC12A7単結晶の育成では、それらの希土類元素の固溶限界と分配係数を調べたところ、最も固溶限界と分配係数が高いNdですらそれぞれ0.90 at%Ndと0.095と小さく、固溶しにくいことがわかった。そのため、希土類元素過剰な溶媒を用いたTSFZ法による結晶育成が効果的であると示唆される。 C12A7エレクトライド単結晶の直接育成はカーボンるつぼを用いて垂直ブリッジマン法により行った。カーボン蓋によりCaの蒸発を抑制させたりペンシル状のカーボンるつぼを設計することにより、C12A7化学量論組成の原料から異相やクラックの少ない結晶を得ることができた。しかし、その育成結晶は黒色不透明であったが、絶縁性であった。そのため、エレクトライド化には熱処理が必要であるが、FZ法に比べて大型化や自動化が可能でありC12A7単結晶の実用化には有効であると期待される。
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Research Products
(6 results)